イギリス組曲 第2番 イ短調 BWV.807 第1曲 プレリュード【バッハ】~音楽作品 名曲と代表曲
演奏技術が高く長大な形式美を誇るプレリュード
『イギリス組曲』はケーテン時代に書かれた作品で、6つの組曲からなる鍵盤楽器のための曲集です。32歳でケーテンの宮廷楽師長に就任したバッハは、この地で数々の世俗音楽の傑作を残しました。
前妻を亡くしていたバッハは、このケーテンの地で過ごした6年間の間に、2人目の妻となった新妻アンナ・マグダレーナ・バッハのために2冊からなるクラヴィーア小曲集を書いていて、その中に「イギリス組曲」「フランス組曲」「パルティータ」が含まれています。
「イギリス組曲」という題名はバッハ自身によるものではなく、後年になって付けられた通称で、名称の由来は定かではありませんが、伝記作家ヨハン・ニコラウス・フォルケル(1749-1818)の説では、「ある高貴なイギリス人のために書かれた」ためにイギリス組曲と呼ばれるようになったと伝えています。
本作品はロンドンで活躍したフランス人作曲家、デュパールの「クラヴサンのための6つの組曲」(1701年)の影響を受けていて、第1組曲プレリュードの主題は、デュパールの組曲(第1組曲イ長調ジーグ)のモチーフが引用されています。
「イギリス組曲」は巨大な導入楽章(プレリュード)を備え、優雅なものが多い「フランス組曲」とは対照的に、求められる演奏技術が高く、長大な形式美を誇っています。
特に第2番のプレリュードは印象的で人気も高い楽曲で、バッハ作品の演奏家には標準的な演目になっていて、チェンバロなどの古楽器やモダンピアノでも頻繁に演奏され、アコーディオンなどによっても取り上げられたりしている作品です。
- 第1番 イ長調 BWV 806
- プレリュード 【Prélude】
- アルマンド 【Allemande】
- クーラントI 【Courante I】
- クーラントIIと2つのドゥーブル(変奏) 【Courante II avec deux Doubles】
- サラバンド 【Sarabande】
- ブレーI 【Bourrée I】
- ブレーII 【Bourrée II】
- ジーグ 【Gigue】
- 第2番 イ短調 BWV 807
- プレリュード 【Prélude】
- アルマンド 【Allemande】
- クーラント 【Courante】
- サラバンド、同じサラバンドの装飾 【Sarabande, Les agrements de la meme Sarabande】
- ブレーI アルテルナティヴマン 【Bourrée I alternativement】
- ブレーII 【Bourrée II】
- ジーグ 【Gigue】
- 第3番 ト短調 BWV 808
- プレリュード 【Prélude】
- アルマンド 【Allemande】
- クーラント 【Courante】
- サラバンド、同じサラバンドの装飾 【Sarabande, Les agrements de la meme Sarabande】
- ガヴォットI アルテルナティヴマン 【Gavotte I alternativement】
- ガヴォットIIまたはミュゼット 【Gavotte II ou la Musette】
- ジーグ 【Gigue】
- 第4番 ヘ長調 BWV 809
- プレリュード 【Prélude】
- アルマンド 【Allemande】
- クーラント 【Courante】
- サラバンド 【Sarabande】
- メヌエットI 【Menuet I】
- メヌエットII 【Menuet II】
- ジーグ 【Gigue】
- 第5番 ホ短調 BWV 810
- プレリュード 【Prélude】
- アルマンド 【Allemande】
- クーラント 【Courante】
- サラバンド 【Sarabande】
- ロンドーによるパスピエI【Passpied I en Rondeau】
- パスピエII【Passpied II】
- ジーグ 【Gigue】
- 第6番 ニ短調 BWV 811
- プレリュード 【Prélude】
- アルマンド 【Allemande】
- クーラント 【Courante】
- サラバンドとドゥーブル 【Sarabande, Double】
- ガヴォットI 【Gavotte I】
- ガヴォットIIまたはミュゼット 【Gavotte II ou la Musette】
- ジーグ 【Gigue】