ピアノ協奏曲 第5番 ヘ短調 BWV.1056 第2楽章 《アリオーソ》【バッハ】~音楽作品 名曲と代表曲
バロック時代特有の香りを漂わせる魅力的な作品
『チェンバロ協奏曲第5番 ヘ短調 BWV1056』は、1738年から1742年頃にかけて作曲されたと推測されている作品で、3楽章からなる構成になっています。
原曲は消失したヴァイオリン協奏曲 ト短調であるとされていますが、この原曲がバッハ自身の作品なのか他の作曲家の作品であるかは定かではありません。
- 構成
第1楽章 アレグロ・モデラート ヘ短調【4分の2拍子】
リトルネッロ形式による楽章で同一音形を装飾反復する。
第2楽章 ラルゴ 変イ長調【4分の4拍子】
弦のピッツィカートの伴奏を背景に繰り広げられる甘美な楽章。
第3楽章 プレスト ヘ短調【8分の3拍子】
リトルネッロ形式による舞曲風の活発なフィナーレ。
第2楽章はカンタータ第156番『わが片足すでに墓穴に入りぬ』の小曲「アリオーソ」が原曲の楽章で、「バッハのアリオーソ」として親しまれ、映画「恋するガリア」の中でも使用されました。
バッハとしては初期のシンプルで古風な様式を示していて、素材の有機的な展開といった点ではかなり巧みな書法が駆使されており、主調に戻らない終わり方が印象的でバロック時代特有の香りを漂わせています。
アリオーソ【ARIOSO】とは、イタリア語で「叙唱風伴奏つきアリア」「歌うように」を意味していて、バッハの多くの作品の中でも特に歌唱的で美しい旋律であることから、様々にアレンジされて演奏されることも多い作品です。
チェンバロ
バッハの「チェンバロ協奏曲」は、現代ではピアノ協奏曲として演奏されることもあり、ピアノの音色によって広く親しまれています。