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羊は安らかに草を食み 《狩のカンタータ》 BWV.208

 

 

 

狩り好きの領主に献呈するために書かれた長閑で牧歌的な作品

 

『羊は安らかに草を食み』は、全15曲からなる「楽しき狩こそわが悦びBWV208」(通称「狩のカンタータ」)の第9曲目の楽曲です。

 

「Sheep May Safely Graze」とも題されるこの「狩のカンタータ」は、現存するバッハの世俗カンタータの中では最も古く、1713年2月27日のヴァイセンフェルス公クリスティアン(1682年-1736年)の誕生日を祝う作品として創作され献呈されました。

 

「狩りのカンタータ」と呼ばれるこの世俗カンタータ第208番は、バッハが仕えていたヴァイマル公ヴィルヘルム・エルンストが、親友であるクリスティアンの誕生日に祝典曲を贈ろうと計画し創作されたものと言われています。

 

クリスティアンの趣味が狩猟であったことを踏まえて、作詞を詩人ザロモン・フランクに依頼し、作曲をバッハに依頼して書かれたものとされています。

 

バッハはこの台本に、野趣溢れるホルンや牧歌的なリコーダーに彩られた音楽を加え、さらにオペラを得意としたヴァイセンフェルス宮廷楽団を意識して、オペラの要素を取り入れています。

第1曲 レチタティーヴォ「楽しき狩こそわが悦び」
【Was mir behagt, ist nur muntre Jagd!】
ディアナ・通奏低音

 

第2曲 アリア「狩は神々の愉しみ」
【Jagen ist die Lust der Goetter】
ディアナ・ホルン2・通奏低音、ヘ長調、6/8拍子

 

第3曲 レチタティーヴォ「何ゆえに、美しき女神よ」
【Wie? Schoenste Goettin?】
エンデュミオン・通奏低音

 

第4曲 アリア「汝もはや楽しまざるか」
【Willst du dich nicht mehr ergoetzen】
エンデュミオン・通奏低音 ニ短調、4/4拍子

 

第5曲 レチタティーヴォ「われいまだ汝を愛せども」
【Ich liebe dich zwar noch!】
ディアナ・エンデュミオン・通奏低音

 

第6曲 レチタティーヴォ「われただ一人の神なれど」
【Ich, der ich sonst ein Gott】
パン・通奏低音

 

第7曲 アリア「公こそかの地のパンなり」
【Ein Fuerst ist seinen Landes Pan】
パン・オーボエ2・オーボエ・ダ・カッチャ・通奏低音、ハ長調、4/4拍子

 

第8曲 レチタティーヴォ「ならばこのパラスの捧げ物が」
【Soll denn der Pales Opfer】
パラス・通奏低音

 

第9曲 アリア「羊は憩いて草を食み」
【Schafe Können sicher weiden】
パラス・リコーダー2・通奏低音

 

第10曲 レチタティーヴォ「さらば共に歌わん」
【So stimmt mit ein】
ディアナ・通奏低音

 

第11曲 合唱「栄えよ、地上の太陽よ」
【Lebe, Sonne dieser Erden】
合唱・全楽器

 

第12曲 二重唱「われらを恍惚たらしめたまえ」
【Entzuecket uns beide】
ディアナ・エンデュミオン・ヴァイオリン・通奏低音、ヘ長調、3/4拍子

 

第13曲 アリア「豊かなる毛並みの羊が」
【Weil die wollenreichen Herden】
パラス・通奏低音、ヘ長調、4/4拍子

 

第14曲 アリア「野よ畑よ」
【Ihr Felder und Auen】
パン・通奏低音、ヘ長調、3/8拍子

 

第15曲 合唱「愛しき眼差しよ」
【Ihr lieblichste Blicke】
合唱・全楽器、ヘ長調、3/8拍子

第9曲の『羊は安らかに草を食み』の題名は、“優れた領主の下で人民は安寧に暮らす”という意味で、領主のことを褒め上げる内容となっています。

 

なお、このカンタータを献呈されたクリスティアンは終生バッハを高く評価していたと言われ、バッハがライプツィヒに転任して2年後の1725年2月、バッハは『復活祭オラトリオBWV249』の原曲『逃れよ、消えよ、退き失せよ、もろもろの憂いよ』をクリスティアンに献呈しています。

 

バッハが後半生を過ごした聖トーマス教会(ライプツィヒ)の祭壇と墓

 

 

 

 
  







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