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交響曲第5番 ハ短調 Op.67 「運命」 第2楽章

 

 

生きることへの愛や憧憬の思いが描かれた音楽

 

「運命」の俗称で親しまれているこの名称は、ベートーヴェン自身がこの曲の第1楽章冒頭の動機を指して「運命はかく扉を叩く」と説明したと、自称ベートーヴェンの私設秘書を名乗ったシントラーによって伝えられたものに過ぎないものです。

 

元々ベートーヴェンは自分の作品を自身の言葉で解説する傾向にはないので、彼の作品を文学的に捉えることにはある種の危険が付きまといます。

 

「交響曲第5番」の背景において、いかにも運命的なものを暗示していると受け取られやすい傾向を備えているとしても、緻密な構成技法によって構築された純音楽的作品以外の何物でもないことは確かです。

 

ベートーヴェンの音楽を運命的な観点から捉えるのは、ロマン・ロランに代表される「苦難を通じて歓喜に至る」側面を余りにも強く前面に押し出したものであって、ベートーヴェン作品が備えている音楽的高さをかえって損なうことになるものであると言えます。

 

がっしりとした音楽構造の中で周到に練られた全体図の設計、テーマの綿密な発展・展開技法、簡素であるが故に尽きることのない可能性を秘めた旋律美などの中に、この曲の音楽的美しさが根ざされていると言えます。

 

もっともハイドン的な意味での音楽的自律性とも異なり、音楽がそれ自体で自立していると同時に、より深いところで人間の思索性に関わってくるところに、ベートーヴェン作品の本質的特徴が存在していると言えるでしょう。

 

第2楽章は、前楽章から一転して歌謡的な主題による自由な変奏曲で書かれており、勇壮な第1楽章の後にヴィオラとチェロで始まる導入は、やすらぎに満ちた世界を描いているかのようで、心に染み入る旋律が印象的です。

 

 

 
  







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