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交響曲第9番 ニ短調 Op.125 「合唱」 第4楽章

 

 

永遠に刻まれるベートーヴェンの最高峰

 

第4楽章は独唱および合唱を伴って演奏され、第4楽章の旋律は有名な「歓喜の歌(喜びの歌)」として親しまれています。

 

合唱部分の歌詞の原詩「歓喜に寄せて(An die Freude/1803)」は、ゲーテと並ぶドイツの詩人フリードリヒ・フォン・シラー(Johann Christoph Friedrich von Schiller/1759 - 1805)の作品です。

 

後にベートーヴェンがカンタータ部の歌詞として抜粋し、一部ベートーヴェンが編集した上で曲を付けました。原曲の歌詞はドイツ語ですが、世界中のあらゆる言語に翻訳されており、その歌詞で歌われることもあります。

  • 歌詞(ドイツ語)

Freude schöner Götterfunken, Tochter aus Elysium,
Wir betreten feuertrunken, Himmlische dein Heiligtum!

 

Deine Zauber binden wieder, Was die Mode streng geteilt;
Alle Menschen werden Brüder, Wo dein sanfter Flügel weilt.

  • 日本語訳(意訳)

歓喜よ 美しき神々の御光よ エリュシオン(楽園)の乙女よ
我等は情熱と陶酔の中 天界の汝の聖殿に立ち入らん

 

汝の威光の下 再び一つとなる 我等を引き裂いた厳しい時代の波
すべての民は兄弟となる 汝の柔らかな羽根に抱かれて

交響曲に声楽が用いられたのはこの楽曲が必ずしも初めてではなく、ペーター・フォン・ヴィンターによる『戦争交響曲』などの前例がありますが、真に効果的に使用されたのは初めてとなります。

 

ベートーヴェン以降も声楽付き交響曲は珍しい存在であり続け、ベルリオーズやメンデルスゾーン、リストなどが交響曲で声楽を用いていますが、声楽付き交響曲が一般的になるのは、「第9番」から70年後のマーラーの『復活交響曲』が作曲された頃からです。

 

讃美歌やゴスペルソングにも用いられた美旋律

 

『歓喜の歌』として愛される合唱部分の旋律は、20世紀初頭にアメリカの作家・聖職者のヘンリー・ヴァン・ダイク(Henry van Dyke/1852–1933)によって讃美歌の歌詞が付けられ、聖歌『ジョイフルジョイフル Joyful, Joyful We Adore Thee』として歌われています。

 

ベートーヴェンが自由と歓びをテーマにした、シラーの詩『歓喜に寄す』に初めて触れて感激し、曲を付けようと思い立ったのは1792年(22歳)のことでした。

 

当時のベートーヴェンは、まだ交響曲第1番も作曲していない時期であり、この時点ではこの詞を交響曲に使用する予定はなかったとされていますが、ベートーヴェンが長きに渡って構想を温めていたことがわかります。

 

そのメッセージを深く胸に刻み込み、心に抱き続けた約30年後、54歳になったベートーヴェンはついに最後の交響曲としてその理想を結実させました。

 

最晩年となったこの曲は、それ以前の交響曲の常識を打ち破った大胆な要素を多く持つ作品となり、シューベルトやブラームス、ブルックナー、マーラー、ショスタコーヴィチなど、後の交響曲作曲家たちに多大な影響を与える作品となりました。

 

大規模な編成や1時間を超える長大な演奏時間、それまでの交響曲で殆ど使用されなかったティンパニ以外の打楽器(シンバルやトライアングルなど)の使用、またドイツ・ロマン派の萌芽を思わせる瞑想的で長大な緩徐楽章(第3楽章)の存在、そして独唱や混声合唱の導入など数知れないほどです。

 

このベートーヴェンの型破りな精神を受け継いだワーグナーやリストは、交響曲という殻そのものを破り捨て全く新しいジャンルを開拓しました。ベートーヴェンの功績は、このように交響曲作曲家以外へ与えた影響も計り知れないのです。

 

 

 
  







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