ノクターン 第8番 変ニ長調 Op.27-2【ショパン】~音楽作品 名曲と代表曲
他の楽器による編曲を許さない華麗なパッセージ
ノクターン第8番は、1835年に作曲されたピアノのための夜想曲で、『2つのノクターンOp.27(第7・8番)』として翌年の1836年に出版されました。テレーズ・ダボニー伯爵夫人に献呈されています。
非常に美しい曲想で度々「貴婦人のノクターン」と呼ばれ、装飾音に彩られたパッセージは、他の楽器による編曲を許さない華麗なものです。
ジョン・フィールドによって創始されたノクターンの当初は、左手が伴奏で右手が歌曲風の旋律という単純なピアノ小品でしたが、その後独自の激情性やより高度な音楽性を加味し、ショパンによって芸術作品として申し分ないレベルにまで引き上げられました。
初期の頃のノクターン第1番や第2番は、フィールドの影響を強く受けていた頃の作品ですが、第8番頃になるとショパンの本領が発揮されていて、第8番や第13番がノクターンのひとつの頂点と見られる傾向もあります。
あまりの完成度の高さに感激したメンデルスゾーンが、感激した旨を家族に手紙で伝えたというエピソードも残されています。