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前奏曲 第20番 ハ短調 Op.28【ショパン】~音楽作品 名曲と代表曲

 

 

葬送と評され神秘的な和声進行が興味を惹くコラール

 

この前奏曲集はショパンのピアノ音楽の小宇宙とも言えるもので、ショパンの全ての作品に見られる情緒が圧縮された形で見られます。

 

中にはエチュードにも通じる技巧追求の曲も垣間見られ、その多くは詩的情緒といった気分の強いもので、精神性・内面性の高い小品で構成されています。

 

その楽想を形成しているものに3つの要素が挙げられ、一つ目はショパンが母方から受け継いだポーランド人としての気質からくるもので、ショパンの魂とも言えるものです。

 

第12番や第24番等で見られる野性的とも言える攻撃性や烈しさ、さらには第1番の突然の興奮が次の第2番では沈思の状態に移るという、急速な情緒面の交代はポーランド人の特性とも言えるものです。

 

形として表れたものにポーランド独特のリズムも挙げられ、例えば第7番や第10番にはマズルカのリズムが見られます。

 

二つ目は色彩感の豊かさとフランス的な明晰さで、フランス人であった父親から受け継いだものを、パリでの生活でさらに磨きをかけたもので、第3番や第11番はフランス的な明晰さが著しく表れた例といえます。

 

三つ目はケルビーニやベリーニといった、イタリアのオペラ作曲家たちから受けたカンタービレな旋律の歌い込みで、ショパンはピアノでカンタービレの表現に成功した唯一の作曲家といっても過言ではなく、魅力的な旋律が多くの作品を特徴付けています。

 

第20番は単純なコラールの中にショパンらしい半音階的和声の進行があって、神秘的で興味を惹く作品であり、コルトーには「葬送」と評されています。

 

後にフェルッチョ・ブゾーニが「ショパンの前奏曲第20番による変奏曲とフーガ」を作曲し、セルゲイ・ラフマニノフは「ショパンの主題による変奏曲」を書いています。

 

 

 
  




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