バレエ音楽《白鳥の湖》Op.20 第3幕 黒鳥のパ・ド・ドゥ - コーダ【チャイコフスキー】~音楽作品 名曲と代表曲
全バレエ作品の中でも最高難度の見せ場
物語のあらすじ
<第1幕> 王宮の前庭
森と湖に囲まれた王宮の庭園で、王子ジークフリートの成人の祝宴が催されている。王妃は貴族や村人たちに、舞踏会で王子の花嫁を選ぶと告げる。
やがて夕暮れ、一群の白鳥が夕映えの空を森の湖へと急ぐのを見つけた王子の友人たちが、白鳥狩りに行こうと誘う。
<第2幕> 静かな湖のほとり
その夜、白鳥たちの住む湖。狩りにやってきた王子の前に美しい乙女が現れ、自分はオデット姫といい、”悪魔ロットバルトによって白鳥にされているのだ”と語る。
王子は悪魔を殺して、オデットや他の白鳥たちを自由の身にすると約束するが、オデットは永遠の愛の誓いだけがこの呪いを解く、”しかしその誓いを破ると永遠に人間に戻れない”と答えるのである。
王子は彼女を舞踏会に招きそして優しく抱く。突然、森の奥からフクロウ姿の悪魔が現れ、2人の邪魔をして不気味な高笑いを残して消えてゆく。
<第3幕> 王宮の舞踏会
王宮の舞踏会、各国から訪れた王女たちがお国ぶりのバレエを披露している。そこへロットバルトが自分の娘をオデットそっくりの黒鳥に化して現れる。
すっかり騙された王子は、全員の前で永遠の愛を誓ってしまう。悪魔と娘がその姿を明らかにして消えると、大広間は闇に包まれ、そして窓越しに白鳥姿のオデットが悄然と姿を消していくのが見えるのだった。
<第4幕> もとの湖のほとり
再び白鳥の湖。悲観に暮れるオデットのもとへ、王子が飛び込んできて許しを求めるが、オデットは湖に身を投じる。
王子もまた剣を胸に刺して、その後を追って死ぬ。すると悪魔は倒れ魔法は解けて、白鳥たちはもとの乙女の姿に戻り、王子ジークフリートとオデット姫は永遠の愛の世界へ入っていくのである。
第3幕 黒鳥のパ・ド・ドゥのコーダでは、黒鳥のオディールが32回転(グラン・フェッテ)する、全バレエ作品の中でも最高難度の見せ場があります。
これを演じきる主役になるには、演技力、表現力、技術、体力、スピード、優雅さなど、全てにおいて高いレベルが要求されるといいます。