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交響曲第9番 ホ短調 Op.95 「新世界より」 第1楽章【ドヴォルザーク】~音楽作品 名曲と代表曲

 

 

 

3大交響曲の名に相応しい音楽的内容が充実した第1楽章

 

交響曲第9番Op.95『新世界より』は、1893年に作曲された4つの楽章からなる最後の交響曲で、古くは出版順により第5番と呼ばれていましたが、その後作曲順に番号が整理され、現在では第9番で定着しています。

 

初演は1893年12月にアントン・ザイドルの指揮で、ニューヨークのカーネギー・ホールで行われました。

 

ドヴォルザークを代表する交響曲に留まらず、古今の交響曲史上でも最も有名な作品の一つで、ベートーヴェンの交響曲『運命』、シューベルトの交響曲『未完成』と並んで「3大交響曲」と評されます。

 

「新世界より」という副題の名前で親しまれているのは、曲がアメリカ時代に作曲され、新世界アメリカから故郷ボヘミアへ向けてのメッセージといった意味があります。

 

ドヴォルザークの作品はイギリスで高く評価され、やがてその名声はアメリカにも伝わりました。1885年に私立のナショナル音楽院を設立したジャネット・サーバー夫人が、このような彼の名声に目をつけて、同音楽院の院長として渡米するよう依頼したのが1891年春のことでした。

 

遠い見知らぬ国への旅行は彼を躊躇させましたが、提示された条件の良さに心惹かれ、1892年9月にドヴォルザークは家族と共にアメリカへと旅立ちました。

 

この「第9番」はドヴォルザークのアメリカ滞在中(1892年-1895年)の最初の作品で、弦楽四重奏曲第12番『アメリカ』、チェロ協奏曲と並んで、ドヴォルザークのアメリカ時代を代表する作品です。

 

ドヴォルザークの他の作品と比べても特に親しみやすさに溢れるこの作品は、クラシック音楽の中でも際立った人気曲となっていて、オーケストラの演奏会で最も頻繁に演奏されるレパートリーの一つでもあります。

 

この曲も「第8番」と同様に民族的色彩を濃くした性格的交響曲であり、ボヘミアの民謡風な旋律や独特のリズム感に加えて、アメリカから故郷を想う切々とした郷愁の念に貫かれているところが、曲の人気を高める要因になっています。

 

第1楽章はホ短調の序奏で始まり、その後序奏から一転してホルンが分散和音型の第1主題を提示します。フルートとオーボエによって歌い出される第2主題は、どこか黒人霊歌を想わせるところがあります。

 

 

 
  




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