ベルガマスク組曲 第4曲 『パスピエ』【ドビュッシー】~音楽作品 名曲と代表曲
17世紀にパリで大流行した舞曲「パスピエ」をモチーフとしたピアノ曲
『パスピエ』と題されたこの楽曲は、1890年頃に作曲されたピアノ独奏曲『ベルガマスク組曲』の第4曲(終曲)で、17世紀にパリで大流行した舞曲「パスピエ」をモチーフとしています。
「パスピエ」は17世紀から18世紀の古典舞曲で、フランスのブルターニュに起源を発し、この言葉は【passa-pied】又は【passe-pied】が語源で「通行する足」の意味です。
「パスピエ」はこの古典舞曲の特徴的な軽やかなステップを言い表すもので、古くは8分の3拍子又は8分の6拍子の速い旋舞で、性格的にジグやカナリーに近いものがあります。
ドビュッシーの「パスピエ」はこのオリジナルとは異なり、4拍子の行進曲調の踏み踊りとして作曲されています。
なお、このドビュッシーの「パスピエ」は、日本の冨田勲さん(1932-2016)のシンセサイザーの演奏で編曲された楽曲でも知られていて、第3曲の『月の光』と共にアレンジされてアルバムに収められています。
この作品は当初「パスピエ」ではなく「パヴァーヌ」という題名で、パスピエでありながら4分の4拍子であるのはこの名残もあり、また第3曲の「月の光」も当初の「感傷的な散歩道」から改題されています。
ドビュッシーの生誕の地サン=ジェルマン=アン=レー【Saint-Germain-en-Laye】の広場
ドビュッシーの生家
ドビュッシーの生家は観光案内所になっていて、住居であった2階が展示室、3階が演奏室になっています。