《ペール・ギュント》第1組曲 Op.23-4 「山の魔王の宮殿にて」【グリーグ】~音楽作品 名曲と代表曲
山の魔王の宮殿で妖怪たちが踊り狂うときの音楽
「山の魔王の宮殿にて」は、第二幕の山奥の魔王の宮殿で、ペールに恋した魔王の娘をペールが冷たくあしらったために、怒った魔王は部下の妖怪たちにペールを殺せと命じ、その場面で妖怪たちが踊り狂うときの音楽です。
不気味なホルンの響きで始まり、ファゴットの伴奏にのったチェロのピチカートの行進曲から、次第に音楽は高潮してグロテスクな唸りをあげます。
ペールの行った数々の悪戯を描くにしては、音楽が過度にエキセントリックにならず、ロマンティックな趣を漂わせて安定した節度を保てているのは、一重にグリーグという作曲家の体質を反映しているものです。