喜歌劇「こうもり」序曲 Op.56【シュトラウス2世】~音楽作品 名曲と代表曲
唯一の例外としてオペラと同じ扱いを受けるほど高く評価されている『こうもり』
喜歌劇とも訳されるオペレッタ作曲の先駆者としては、パリで活躍したジャック・オッフェンバックがいますが、シュトラウス2世がオペレッタを書くようになったのは、ウィーンを訪れたオッフェンバックの勧めによるものです。
シュトラウスはオペレッタを全部で16作書きましたが、その第3作にあたる『こうもり』が最高の傑作として好評を得ました。
本場ウィーンではオペレッタとオペラは厳然と区別されているにも関わらず、唯一の例外として『こうもり』だけはオペラと同じ扱いを受けるほど高く評価されています。
1873年末から殆ど寝食を忘れて作曲にあたり、作曲に要した43日間は、ヒーツィングにあるシュトラウスの別邸は面会謝絶にされたほどです。
初演は1874年4月5日にウィーンのアン・デア・ウィーン劇場で行われました。当時のウィーンの庶民の感覚からか、余りにも洗練されすぎていたからと考えられる理由で失敗に終わりました。
しかし、同年夏にベルリンで行われた上演が大成功を収めると、ウィーンでも認められ今日では人気随一のオペレッタとなりました。