ワルツ《美しく青きドナウ》 Op.314【シュトラウス2世】~音楽作品 名曲と代表曲
「愛国的な国民の歌」と称えられるシュトラウス2世の最高傑作
毎年1月1日、ウィーン・フィルハーモニーの根城であるウィーン楽友協会大ホールで開かれる『ウィーン・フィル・ニューイヤーコンサート』のアンコールで定番の曲が、オーストリア第二の国歌とも呼ばれる『美しき青きドナウ』と、聴衆の手拍子が盛り上がりを見せる『ラデツキー行進曲』です。
『美しき青きドナウ』は、「ワルツ王」と呼ばれるヨハン・シュトラウス2世の作品で、『ラデツキー行進曲』は、「ワルツの父」と呼ばれるヨハン・シュトラウス1世(父)の作品です。
1866年オーストリアとプロイセンの戦争に敗れたウィーン復興への思いを込めて、当時ウィーン男声合唱団の指揮者だったヨハン・ヘルベックが、ヨハン・シュトラウス2世に合唱曲の作曲を依頼しました。
ドナウ川はウィーン子たちにとって心の拠り所となる母なる川で、失望の底に沈んだウィーン市民を慰めるために、かつて読んだことのあるドナウ川についての詩の一節を思い浮かべ、シュトラウス2世は『美しき青きドナウ』を書き上げました。