「カルメン幻想曲」より “ハバネラ”
ヒロインであるカルメンによって歌われるアリア
『ハバネラ』はビゼーよるオペラ《カルメン》の中で歌われるアリアで、冒頭の歌詞から「恋は野の鳥」の題名でも呼ばれています。
ハバネラ(habanera)とは、キューバの民俗舞曲およびその様式のことを指し、1791年のハイチ革命における避難民によってハイチからキューバにもたらされたもので、フランスのコントルダンスに源流があると言われています。
後にハバネラのリズムは船乗りによってスペインに輸入され、19世紀末までに非常に人気の高い舞曲となりました。
ハバネラは「スペイン舞曲」として定着していき、スペインを舞台とするオペラやクラシックなどで、スペインらしさを強調するためにハバネラのリズムが使用されるようになりました。
ヴァイオリニスト兼作曲家のサラサーテが、ビゼーの歌劇《カルメン》の名旋律を基にアレンジしたこの『ハバネラ』は、「ツィゴイネルワイゼン」と並ぶサラサーテの代表作となり、華やかな技巧と音色で当時の聴衆を魅了しました。