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「アルルの女」 第2組曲より “ファランドール”

 

 

管弦楽法に長けた友人ギローによる名アレンジの第2組曲

 

「アルルの女」で一般に知られているのは、演奏会用に劇付随音楽から数曲を選んだ組曲で、ビゼー自身が4曲を選んで演奏会用組曲としたのが第1組曲、ビゼーの死後に友人のエルネスト・ギローが4曲を選んでまとめ上げたのが第2組曲です。

  • 第1組曲

第1組曲はビゼー自身が通常オーケストラ向けに編成を拡大して組曲としたものであり、劇付随音楽が初演された直後の1872年11月10日に初演されて成功を収めました。

 

第1曲「前奏曲」
【劇音楽No.1 序曲~】
3部構成になっており、第1部の主旋律はプロヴァンス民謡「3人の王の行列」に基づいています。第2部のアルト・サクソフォーンによる旋律は、フレデリの弟の知的障害を表す動機で、第3部はフレデリの恋の悩みを表しています。

 

第2曲「メヌエット」
【劇音楽No.17 間奏曲~】

 

第3曲「アダージェット」
【劇音楽No.19 メロドラマの中間部~】

 

第4曲「カリヨン」
【劇音楽No.18 導入曲及びNo.19メロドラマ前後部~】
ビゼーは「アダージェット」に用いなかった部分を、中間部に置く三部形式に構成し直しています。

 

  • 第2組曲

第2組曲はビゼーの死後の1879年に、友人であるエルネスト・ギローによって完成されたもので、ギローは管弦楽法に長けており「アルルの女」以外の楽曲も加えて編曲を施しました。

 

第1曲「パストラール」
【劇音楽No.7 導入曲及び合唱~】
元々二部に分かれていた曲を、ギローが三部形式に構成し直しています。

 

第2曲「間奏曲」
【劇音楽No.15 導入曲~】
中間部のアルト・サクソフォーンによる敬虔な旋律は、『神の子羊』という歌曲としても歌われました。

 

第3曲「メヌエット」
【美しきパースの娘~】
「アルルの女」と言えばこの曲と連想されるほど有名な曲で、ビゼーの歌劇『美しきパースの娘』の曲をギローが転用し編曲を施していて、フルートとハープによる美しい旋律が展開されます。

 

第4曲「ファランドール」
【劇音楽No.21 ファランドールなどからギローが終曲として構成】
プロヴァンス民謡「3人の王の行列」(短調)に基づく旋律とファランドールが組み合わされ、熱狂的なクライマックスを築き上げます。「ファランドール」の軽快な旋律は、民謡「馬のダンス」(長調)に基づきます。

ファランドール(Farandole)とは、フランス南部のプロヴァンス地方で踊られる6/8拍子の舞曲の名称であり、第2組曲のラストを飾るビゼーの“ファランドール”は、「3人の王の行列(王の行進)」と「馬のダンス」の2種類の民謡をもとに作られています。

 

特に冒頭の主題は広く知られていて、その荘厳さと打楽器(プロヴァンス太鼓)を用いた活気あるテンポから、コンサートにおけるアンコールで人気が高い楽曲となっています。

 

 

 
  




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