Someone to Watch Over Me ~誰かが私を見つめてる
多くの人に歌い継がれているスタンダード・ナンバー
「誰かが私を見つめてる」は、作詞アイラ・ガーシュウィン、作曲ジョージ・ガーシュウィンによる作品で、ブロードウェイ・ミュージカル『オー・ケー』の挿入曲として1926年に大ヒットした楽曲です。
ミュージカルの題名の「オー・ケー」の「ケー」は人の名前を意味しており、ジョージが最も心を開いていた女性のケイ・スイフトを指しています。
ケイ・スイフトは家庭持ちで子供もいましたが、音楽家で教養もありウイットに富む知的な面などで、夫公認のもとでガーシュウィンを支えていました。
ガーシュウィンが世に送り出した歌の多くは兄弟の共作によるもので、このミュージカルの中ではアメリカのミュージカルに初出演した、イギリスのミュージカル女優ガートルード・ローレンスによって歌われています。
ジョージは当初この楽曲をダンス・コーラスに使うつもりで速いテンポで作曲しましたが、ジョージが何気なくテンポを落としてゆっくりピアノを弾き始めた時、兄アイラと顔を見合わせたといいます。
「これは恋の物思いにふける温かい曲でなければならない」と気が付いた二人は、それまでのテンポとはうって変わってスローな曲として仕上げ、現在のようなバラードに書き換えられたという経緯があります。
兄のアイラは読書などを好む文学青年だったようで、母親が買い与えたピアノにも興味を示さず、音楽の才能溢れる弟ジョージとは対照的でしたが、後に作詞家としての才能を存分に発揮していきます。
弟ジョージの音楽活動において欠かせないパートナーとなり、「誰かが私を見つめてる」では、“私を見守ってくれる誰か”を待つ女心を書いています。
Someone to Watch Over Me
会いたいと願い続けている人がいる
その人はいつも私を見守ってくれる
そんな人だったらいいな
私は森の中で迷子になった子羊
でもその人が私を見守ってくれたなら
私はいつもいい子でいられる
words by Ira Gershwin