交響詩 「死と変容」 Op.24
死を迎える人間を描いていく交響詩
1888~1889年に作曲された交響詩『死と変容』は、現在も演奏される機会が多く人気のある作品です。
『死と浄化』とも呼ばれる『死と変容』は、あまり体が丈夫でなかったR.シュトラウスが大病を患った後に作曲された作品です。
楽譜の表紙には彼の友人が作った一つの詩が添えられていて、そこには「死の床にある人間が、自分の死を前にいくつかの想いを浮かべ、必死にあらがいながらも最期は死を迎え、そしてこの世から開放されていく」という姿が書かれています。
暗鬱としたトーンから始まる音楽は、時には清らかな優しい音も奏でながら、死を迎える人間を描いていき、キリスト教の宗教観も感じられる最後は、「変容」よりも「浄化」の方が曲のイメージが近いでしょう。