ルーマニア民俗舞曲 Sz.56 1. 棒踊り (弦楽合奏版)
民謡採集と研究から生まれた人気の組曲
構成
7つの舞曲の旋律を用いた6つの部分で構成されています。
1.棒踊り【イ調 Allegro moderato】
〔ルーマニア語:Jocul cu bâtă,ハンガリー語:Bot-tánc,採譜地:Mezőszabad〕
管弦楽版はMolto moderato
2.飾り帯の踊り(ブラウル舞曲)【二調 Allegro】
〔ルーマニア語:Brăul,採譜地:Egres〕
繰り返しの際にオクターブを加えて演奏するピアニストもいます。
3.踏み踊り【ロ調 Moderato】
〔ルーマニア語:Pe loc,ハンガリー語:Topogó,採譜地:Egres〕
4.角笛の踊り(ブチュム舞曲)【イ調 Andante】
〔ルーマニア語:Buciumeana,ハンガリー語:Bucsumi tánc,採譜地:Bisztra〕
繰り返し演奏されるケースもあります。
5.ルーマニア風ポルカ【ニ調 Allegro】
〔ルーマニア語:Poargă românească,ハンガリー語:Román polka,採譜地:Belényes〕
リズム的に特徴がある楽章でチェコの影響を感じさせます。バルトークは8拍を一単位とする独特なポルカのフレーズを、2拍子と3拍子の交替で記譜しています。オリジナルは村の青年によるヴァイオリン演奏です。
6.速い踊り(マルンツェル舞曲)【イ調 Allegro Piu allegro】
〔ルーマニア語:Mărunţel,ハンガリー語:Aprózó,採譜地:Belényes、Nyágra〕
管弦楽版ではL’istesso tempo Allegro vivace。別々の場所で採譜された相互に関連性がない2つの舞曲のメドレーであり、これと同じ構成は15のハンガリーの農民の歌にも見られます。
ウニヴェルザール出版社から出版されている楽譜では、ルーマニア語で舞曲名が記されています。なお、バルトーク自身による録音の演奏時間は4分47秒となっています。