音楽用語 【シ】
音楽用語 |
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柱 |
読み方 |
〔じ〕 |
解説 |
箏で琴柱ともいいます。胴の上に立てて弦を支え、その位置によって音の高低を調節する支柱。 |
音楽用語 |
シアリング奏法 |
読み方 |
〔シアリングそうほう〕 |
解説 |
クール・ジャズの第一人者でジャズ・ピアニストのジョージ・シアリングが得意とし、メロディをクローズ・ヴォイシングで弾く奏法。各和音は5声から成り、上4声は右手、一番下の音を左手で弾きます。外声、すなわち右手(一番上)の音と左手(一番下)の音はちょうど1オクターヴになります。 |
音楽用語 |
シェイカー |
外国語表記 |
〔英:shaker〕 |
解説 |
金属製の筒に小石や砂などを入れ、上下に振って音を出すラテン打楽器。 |
音楽用語 |
シェイク |
外国語表記 |
〔英:shake〕 |
解説 |
①金管楽器の装飾音の一つ。唇を使って1倍音上の音を交互に奏するトリル。 ②エレクトリック・ギターの奏法の一つ。弦を押さえたネックを上下に激しく振り、振動の作用でビブラートをかけるテクニックのこと。 ③躍動感を出すためにリズムが揺れ動くこと。 |
音楽用語 |
GS |
読み方 |
〔ジーエス〕 |
解説 |
→グループ・サウンズ |
音楽用語 |
シカゴ・ジャズ |
外国語表記 |
〔米:Chicago jazz〕 |
解説 |
1920年代、ニューオーリンズからシカゴに進出したジャズ・ミュージシャンによって作られたジャズ。シンプルで強烈なビートに特徴があります。 |
音楽用語 |
シカゴ・ブルース |
外国語表記 |
〔米:Chicago blues〕 |
解説 |
1920年代、ミシシッピでシティ・ブルース、フォーク・ブルースなどと呼ばれていたブルースがシカゴに渡り、ビッグ・シティ・ブルースと呼ばれ人気を集めたもの。 |
音楽用語(関連) |
自我同一性 |
外国語表記 |
〔英:identity〕 |
解説 |
アイデンティティ。エリクソンが自我発達理論の中で、この語句に特定の意味を付けました。自我同一性とは、物事に積極的に取り組み生き生きとしている自分自身を自覚し、「これが本来の自分で真実だ」と感じる経験や、外界と自分が上手に調和していると感じる経験をいいます。子供時代の社会的、精神的、文化的充実を経て、青年期に確立を見るものであるということです。 |
音楽用語 |
ジグ |
外国語表記 |
〔仏:gigue〕 〔伊:giga〕 |
解説 |
1650~1750年頃に古典組曲の最後に置かれた舞曲。フランスのジグには通常、複合3拍子(8分の6、4分の6)、付点リズム、跳躍、フーガ的書法等が見られます。イタリアのジガはテンポが速くフーガ的構成をとらず、基本和声の上を急速に駆け巡る経過句を持ちます。 |
音楽用語 |
シーケンサー |
外国語表記 |
〔英:sequencer〕 |
解説 |
主にシンセサイザーを自動演奏させるために用いられる電子機器。初期のシーケンサーが短い音形の繰り返し(シーケンス)を演奏する目的で使われた為この名で呼ばれますが、現代ではより高度な自動演奏も可能となっています。 |
音楽用語(関連) |
試行錯誤学習 |
外国語表記 |
〔英:trial and error learning〕 |
解説 |
アメリカの心理学者であり教育学者のソーンダイクの説明では、問題解決などの学習は試行錯誤の過程を選択し、満足を伴う反応はその刺激自体と強く結びつくという効果の法則と関連させて述べています。ピアジェによれば、人間の試行錯誤的行動は1歳頃から始まるといいます。 |
音楽用語(関連) |
自己中心性 |
外国語表記 |
〔英:egocentrism〕 |
解説 |
幼児特有の自分中心に物事を捉えるありさまで、ピアジェが提唱しました。例えば自分の左右は理解しても相手の左右が理解できなかったり、一緒に遊んでいる子供同士がお互いにコミュニケーションをするのではなく、自己中心的言語である単なる独り言を話している様子などです。8歳頃を過ぎると次第に消失していくとされています。 |
音楽用語(関連) |
自己中心的言語 |
外国語表記 |
〔英:egocentric speach〕 |
解説 |
2歳頃から急速に言語を習得していく中で、独り言のように話す言語を自己中心的言語と呼び、ピアジェが用いた用語。幼児は自分を中心に考え、他の人の立場に立って考えることが難しい(自己中心性)。 |
音楽用語(関連) |
自然主義 |
外国語表記 |
〔英:naturalism〕 |
解説 |
教育においては、人間の中でも特に子供の自然な発達や学習を重視する思想で、コメニウス、ルソー、ぺスタロッチなどが代表です。 |
音楽用語 |
七の和音 |
外国語表記 |
〔英:seventh chord〕 |
解説 |
三和音に更に3度上を重ね四和音としたもの。重ねた音は根音から7度を成し第7音といいます。通常第7音は次の和音へ進むとき2度下行して解決します。属音上の七の和音を「属七の和音」といい、属和音の機能をより強めています。その他には短七の和音、長七の和音、減七の和音などがあります。 |
音楽用語 |
シチリアーノ(シチリアーナ) |
外国語表記 |
〔伊:siciliano〕 |
解説 |
「シシリー島の」の意味。17,18世紀に現れたシシリー島に由来する舞曲。緩やかな6/8または12/8拍子の叙情的なものが多く、旋律には通常、付点リズムが含まれます。 |
音楽用語(関連) |
実存主義 |
外国語表記 |
〔仏:existentialisme〕 |
解説 |
それまでの社会規範や価値の枠組に重きをおく伝統教育に対し、人間自身の発達に重きをおくもので、ボルノーらが教育の分野に実存主義を取り入れました。第二次世界大戦後、キルケゴール、サルトル、ハイデッガーに代表される実存哲学(主義)は、教育観にも大きな影響を与えました。 |
音楽用語(関連) |
児童中心主義 |
外国語表記 |
〔英:child centered education〕 |
解説 |
教師中心主義や教科書中心主義による伝統的な教育に対立する概念で、子供を一人の人格として尊重し、子供の個性と自発性を引き出そうとする考え方。。エレン・ケイ、デューイに代表されます。 |
音楽用語 |
室内楽 |
外国語表記 |
〔英:chamber music〕 〔独:Kammermusik〕 〔仏:musique chambre〕 〔伊:musica da ca-mera〕 |
解説 |
2~10人程度による器楽演奏とそのための曲で、通常は各声部1人の奏者によります。宮廷や貴族の部屋で演奏される音楽を表すイタリア語「ムジカ・ダ・カメラ」から由来し、バロック時代のトリオ・ソナタや古典派以後の弦楽4重奏などが代表的な形態。古典派以後、管楽器、弦楽器、ピアノなど各種の組合せによる室内楽が多く書かれています。 |
音楽用語(関連) |
自閉症 |
外国語表記 |
〔英:autism〕 |
解説 |
周囲の人や物、社会と孤立(自閉)し、認知障害や言語障害などを伴う精神病。子供の時期に発病することが多く様々な事例があります。極端に自閉的孤立をして全く言葉を発することができない例や、表面的にはある程度社会適応しながらも感覚的欠陥が顕著な例などもあります。遊戯療法、行動療法、薬物療法に加えて、音楽療法においても効果を発揮する事例もあります。 |
音楽用語 |
Cメロ |
読み方 |
〔シーメロ〕 |
解説 |
コード・ネーム付きのメロディ譜で、全て実音(実際に耳に聞こえる音程のこと)で記されたもの。移調楽器でないC調の楽器用の譜面という意味。 |
音楽用語 |
地歌(地唄) |
読み方 |
〔じうた〕 |
解説 |
江戸時代から歌い継がれている三味線音楽の種目名。長唄、端唄、浄瑠璃物などの種類があります。 |
音楽用語 |
J-POP(J-ポップ) |
読み方 |
〔ジェイ・ポップ〕 |
解説 |
1990年代から定着した日本のポップ・ミュージックを指す言葉。 |
音楽用語 |
詩吟 |
読み方 |
〔しぎん〕 |
解説 |
漢詩や和歌に一定の節を付けて歌う(吟ずる)、江戸時代から伝わる日本の伝統芸能の一つ。 |
音楽用語 |
シティ・ポップ |
解説 |
日本のポピュラー音楽ジャンルの一つ。主に1980年代に流行した都会的なイメージを前面に出したポップス。 |
音楽用語 |
篠笛 |
読み方 |
〔しのぶえ〕 |
解説 |
日本の伝統芸能に使用される竹製の横笛。 |
音楽用語 |
島唄 |
読み方 |
〔しまうた〕 |
解説 |
奄美群島で歌われる民謡。グインといわれる裏声を多用し、こぶしを効かせた独特の歌唱法に特徴があります。 |
音楽用語 |
シーミレ |
外国語表記 |
〔伊:simile〕 |
解説 |
「同様に、同様な」の意味でsim.とも記します。それまで続いてきたパターンやアーティキュレーションなどを前と同じように続けること。stacc. simile(スタッカート シーミレ)、Ped. simile(ペダル シーミレ)など。 |
音楽用語 |
下手 |
読み方 |
〔しもて〕 |
解説 |
客席から見て左の方の舞台を指す舞台用語。 |
音楽用語 |
尺八 |
読み方 |
〔しゃくはち〕 |
解説 |
竹製でリードを持たない日本伝統楽器の管楽器。7世紀半ばの長さの基準一尺八寸から名付けられました。 |
音楽用語 |
借用和音 |
外国語表記 |
〔英:borrowed chord〕 |
解説 |
ある調の中で他の調の和音を一時的に借用すること。例えばハ長調で1和音だけト長調のドミナントを借用した際のドッぺルドミナントや、長調で同主短調の音を借用するなど。なお一時的転調を含めることが多いです。 |
音楽用語 |
シャコンヌ |
外国語表記 |
〔仏:chaconne〕 〔伊:ciacona〕 |
解説 |
スペイン起源の通常は2拍目にアクセントを置く4分の3拍子の緩やかな舞曲で、バロック時代に盛んに作曲されました。パッサカリアとよく似た変奏の一種です。 |
音楽用語 |
斜進行/反進行/並進行 |
読み方 |
〔しゃしんこう/はんしんこう/へいしんこう〕 |
解説 |
①斜進行(英:oblique motion)・・・「斜行」ともいいます。二声の進行で一方が同じ音に留まり、もう一方が上行または下行すること。 ②反進行(英:contrary motion)・・・「反行」ともいいます。二声の進行で互いに反対方向に進むこと。 ③並進行(英:parallel motion)・・・「並行」ともいいます。二声が同一の方向へ進行すること。 |
音楽用語 |
ジャズ |
外国語表記 |
〔米:jazz〕 |
解説 |
20世紀初めにアメリカのニューオーリンズで生まれた音楽スタイルの呼び名。黒人がもたらしたアフリカの民族音楽のリズムとヨーロッパの音楽が融合して出来たものと言われています。揺れ動くスウィング感と即興演奏に特徴があり、即興ではモード(旋法)が使われることも多いです。演奏スタイルは時代により変遷し分類されます。ニューオーリンズ・ジャズ・・・最も初期の少人数の集団即興のジャズ。 ディキシーランド・ジャズ・・・ニューオーリンズ・ジャズの中でソロに重点を置いたジャズ。 ビッグ・バンド・ジャズ・・・大編成のオーケストラ・ジャズでスウィング・ジャズと言い、この時代をスウィング時代といいます。 モダン・ジャズ・・・複雑なリズムや不協和音などを取り入れたジャズで、この演奏スタイルをビ・バップ(バップ)といいます。 前衛ジャズ(フリー・ジャズ)・・・既製の概念や理論から逃れ、新しいスタイルを追及したジャズ。 |
音楽用語 |
シャッフル・リズム |
外国語表記 |
〔米:shuffle rhythm〕 |
解説 |
元アメリカ南部の黒人の間で作られた独特のリズムが、1920年代にジャズ・リズムとして流行したもの。ブギ・ウギのリズムに近く、付点音符でバウンス(跳ねる)させるのが特徴です。 |
音楽用語 |
三味線 |
読み方 |
〔しゃみせん〕 |
解説 |
古くに中国から琉球を経由して伝来し、改良が加えられた日本の撥弦楽器。猫または犬の皮が張られた胴に3本の弦(糸)が付けられ、バチではじいて弾きます。 |
音楽用語 |
ジャム・セッション |
外国語表記 |
〔米:jam session〕 |
解説 |
ミュージシャンが簡単な打ち合わせだけで即興的に演奏すること。 |
音楽用語 |
シャンソン |
外国語表記 |
〔仏:chanson〕 |
解説 |
①フランスのポピュラー・ソングで、愛の歌、政治的な歌。風刺的な歌など変化に富んだ内容の曲が多いです。 ②フランスの世俗歌曲。12~13世紀の単旋律のシャンソン、14~15世紀の多声のシャンソンなどがあります。 |
音楽用語 |
終止 |
外国語表記 |
〔英:cadence, close〕 〔独:Kadenz、Schluß(Schlußformel)〕 〔仏:cadence〕 〔伊:cadenza〕 |
解説 |
和音がその機能に従って連結されることを終止形(カデンツ)といい、終止形の連なりの中での区切りの部分を終止と呼びます。終止には次のようなものがあります。①全終止(完全終止)・・・S—D—Tの機能の連なりで曲の終わりを表します。特にD—Tの部分では基本形のⅤーⅠが置かれます。 ②半終止・・・曲の途中でD(Ⅴ)にいったん落ち着くもの。 ③変終止・・・全終止の後にSーT(ⅣーⅠ)を置きコーダとするもの。讃美歌の終わりで使われるためアーメン終止とも呼ばれます。 ④偽終止・・・全終止のTにⅠ以外の和音(通常Ⅵ)を置くもの。通常はこの後に再び全終止が置かれます。→ケーデンス |
音楽用語 |
十七絃(十七弦) |
読み方 |
〔じゅうしちげん〕 |
解説 |
20世紀前半に筝曲家で作曲家の宮城道雄が考案した、低音部を担当する17本の絃を持つ筝。 |
音楽用語 |
重唱 |
外国語表記 |
〔英:vocal ensemble〕 |
解説 |
声楽で各声部を1人ずつの唱者が担当するもの。二重唱(デュエット英:duet)・・・2人の歌手による。オペラでの「愛の二重唱」など。 三重唱(トリオ英・仏:trio)・・・3人の歌手による。 四重唱(カルテット英:quartet)・・・4人の歌手による。ベートーヴェンの『交響曲第9番』のものなど。 |
音楽用語 |
重奏 |
外国語表記 |
〔英:ensemble〕 |
解説 |
弦楽器、管楽器、打楽器、鍵盤楽器の各種組み合わせによるアンサンブル。二重奏(デュオ英:duo)・・・同種2楽器または異種2楽器による室内楽。 三重奏(トリオ各国共通:trio)・・・3人の奏者による室内楽。ピアノ、ヴァイオリン、チェロからなるピアノトリオは代表的編成の一つ。 四重奏(カルテット英:quartet/伊:quartetto)・・・4人の奏者による室内楽。弦楽四重奏を始め、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ピアノによるピアノ四重奏など。 五重奏(クインテット英:quintet)・・・5人の奏者による室内楽。弦楽四重奏にピアノを加えたピアノ五重奏、木管五重奏、金管五重奏など。 六重奏(セクステット英:sextet)・・・6人の奏者による室内楽。弦楽六重奏(2ヴァイオリン、2ヴィオラ、2チェロ)、管楽六重奏など。 七重奏(セプテット英:septet)・・・7人の奏者による室内楽。弦のみの編成は稀で管や弦、ピアノ、ハープなどの混合編成が多いです。 八重奏(オクテット英:octet)・・・8人の奏者による室内楽。弦楽八重奏、管楽八重奏、それらの混合編成など。 |
音楽用語 |
12音音楽 |
外国語表記 |
〔英:twelve-tone music,dodecaphony〕 |
解説 |
ドデカフォニー。調性における主音、属音のような中心音を持たず、1オクターヴの12音全てに平等な価値を与える作曲技法(12音技法)を用いた音楽。1912年にオーストリアの作曲家シェーンベルクが調性からの脱却のために提唱し、弟子のベルク、ウェーベルンと共に広めました。 |
音楽用語 |
12音技法 |
外国語表記 |
〔独:Zwölftontechnik〕 〔英:twelve-tone technique〕 |
解説 |
シェーンベルクによって体系化された作曲技法。「相互の音の間の関係のみによる12の音による作曲法」と定義され、1オクターヴの12の音をすべて平等に扱うことに特徴があります。まず12の音を1回ずつ使って音列を作り「原形」とし、音程を上下逆にした「反行形」、最後の音から逆に進む「逆行形」、「逆行形の反行形」の4種類の形が作られます。12の音を開始音として音高を移すことができ、これを「移置」といいます。作曲家はこれらの音列から自由に選んで作曲します。シェーンベルクは、1923年の『5つのピアノ曲』でこの技法を初めて用い、以後この技法で作曲を続けました。弟子のベルク、ウェーベルンがこの技法を継承しました。12音技法で書かれた音楽のことを「12音音楽」と呼びます。 |
音楽用語 |
主音 |
外国語表記 |
〔英:tonic, key-note〕 〔独:Tonika〕 〔仏:toni-que〕 〔伊:tonica〕 |
解説 |
音階の第1音。調を決定する音。→トニック |
音楽用語 |
主題 |
外国語表記 |
〔英:theme,subject〕 〔独:Thema〕 |
解説 |
テーマ。楽曲を構成する上で最も重要なフレーズで、その動機の一部などが後に展開されることも多いです。 |
音楽用語 |
主調 |
外国語表記 |
〔英:principal key〕 〔独:Haupttonart〕 〔仏:ton principal〕 〔伊:tono principale〕 |
解説 |
曲の中心となる調。通常は主調で始まり主調で終わります。 |
音楽用語 |
受難曲 |
外国語表記 |
〔英・仏:passion〕 〔独:Passion〕 〔伊:pas-sione〕 |
解説 |
キリスト受難の物語に作曲した声楽曲。教会の典礼で演奏される曲と非典礼的な曲があり、カトリック教会では15世紀頃より多声の受難曲が作曲されるようになりました。この種の作品としてはラッスス(1532頃~94)の曲が有名です。他に非典礼的な受難曲としては、A.スカルラッティやハッセ、ハイドン、リスト等の作品があります。プロテスタント教会では、シュッツの3つの受難曲(ルカ、マタイ、ヨハネ)が最初の頂点を築き、その後に受難カンタータや受難オラトリオが一層重要な地位を占めるようになり、J.S.バッハの『ヨハネ受難曲(BWV245)』『マタイ受難曲(BWV245)』のような作品が誕生しました。 |
音楽用語 |
主要三和音 |
外国語表記 |
〔英:main triads〕 |
解説 |
音階の第1音(主音)、第5音(属音)、第4音(下属音)上に構成される三和音。主和音、属和音、下属和音のこと。調性で重要な位置を占めます。 |
音楽用語 |
主和音 |
外国語表記 |
〔英:tonic triad〕 |
解説 |
音階の主音上の3和音で曲の中心となる和音。長調では長3和音、短調では短3和音となります。和音記号はⅠまたはTを用います。 |
音楽用語 |
循環形式 |
外国語表記 |
〔英:cyclic form〕 |
解説 |
交響曲など多楽章形式の曲で、第1楽章の一つ又は幾つかの主題が、全体の統一のため他の楽章にも使われるものをいいます。フランスの作曲家フランクらが好んで用いました。 |
音楽用語 |
循環コード |
外国語表記 |
〔英:cyclic chord〕 |
解説 |
コード・パターンとして定型化されたもの。トニック・コードから始まり、いくつかのコードを通り再びトニック・コードに戻る簡単なコード進行のこと。CーAm7ーDm7ーG7ーCなどの進行。 |
音楽用語 |
順次進行/跳躍進行 |
外国語表記 |
〔英:conjunct motion/skip,disjunct motion〕 |
解説 |
①順次進行・・・ある音が2度上または下、すなわち音階の隣り合った音へ進行すること。 ②跳躍進行・・・音階的な順次進行に対するもので、3度以上の上行、下行をするものをいいます。 |
音楽用語 |
純正律 |
外国語表記 |
〔英:pure temperament〕 〔独:reine Stim-mung〕 |
解説 |
純正調律のこと。各音程を決める際に、オクターヴの他にすべての5度と3度を和声的に純正(濁りのない)に保とうとする調律。つまり、振動数比を5度(2:3)、長3度(4:5)、短3度(5:6)に合わせる調律法。しかし、例えば「純正3度」と「純正5度を4回重ねて出来る3度(ピュタゴラス3度)」とでは、後者が81/80(シントニック・コンマ)だけ大きくなるため、鍵盤楽器のように音を予め固定させている楽器では、5度を純正に保とうとすれば3度に濁りが生じ、3度を純正に保とうとすれば5度が濁ることになります。そこで一つの音に対して微妙にピッチの異なる鍵盤が必要となり、この不都合を解消しようとした試みが通称平均律(正しくは快適音律)であり、12平均律(平均律)です。 |
音楽用語 |
笙 |
読み方 |
〔しょう〕 |
解説 |
雅楽に用いる管楽器の一種。17本の竹の管を環状に並べて吹き口を付けたもの。 |
音楽用語 |
唱歌 |
読み方 |
〔しょうか〕 |
解説 |
旧制学校の科目の一つで、この科目で指導するために選ばれた歌曲のこと。オルガンやピアノなどに合わせて歌を歌います。 |
音楽用語 |
唱歌 |
読み方 |
〔しょうが〕 |
解説 |
邦楽で楽器の旋律を口で唱えて練習するときの歌唱法。三味線の「チントンシャン」、筝の「コーロリンシャン」、太鼓の「ドンドンドドン」など演奏の手がかりを言葉で与えます。 |
音楽用語(関連) |
生涯学習 |
外国語表記 |
〔英:lifelong learning〕 |
解説 |
学校教育に捉われず、生涯に渡って学び続けようとする教育観。1965年のユネスコ国際成人教育推進委員会における提言により、この教育観が広まりました。 |
音楽用語 |
小学唱歌集 |
読み方 |
〔しょうがくしょうかしゅう〕 |
解説 |
公に用いられた最初の音楽教科書で、明治14~17年にかけて出版されました。伊沢修二が中心となって編纂し、『螢の光』『むすんでひらいて』などが登場しました。 |
音楽用語 |
冗談音楽 |
読み方 |
〔じょうだんおんがく〕 |
解説 |
アメリカの音楽家でコメディアンのスパイク・ジョーンズに代表される音楽ジャンルの一つ。演奏法やアレンジの手法などにジョークの要素が付加されています。 |
音楽用語(関連) |
賞罰の効果 |
外国語表記 |
〔英:effects of reward-punishment〕 |
解説 |
賞罰は学習の動機付けの手段として用いられます。一般にプラスの評価に対する賞は学習効果をもたらすとされていますが、内発的な意欲を低下させることもあります。例えば幼児に歌を歌わせて上手に歌えた時に賞を与えるとした場合、純粋に歌を歌いたいという気持ちを損ねてしまう可能性を潜め、やる気を失くしてしまう例もあります。賞罰は与える側と受ける側との間の、上下関係や依存関係などの状況によってその効果は影響されます。 |
音楽用語 |
声明 |
読み方 |
〔しょうみょう〕 |
解説 |
仏教の儀式の音楽。男声による単旋律、無伴奏の経典の歌唱をいいます。 |
音楽用語 |
省略記号 |
外国語表記 |
〔英:abbreviation〕 〔独:Abkürzung〕 〔仏:abréviation〕 〔伊:abbreviatura〕 |
解説 |
記譜または読譜を容易にするために省略した簡易な方法にすること。楽器名や発想標語の略記も含めて省略法といいますが、特に楽譜上で記譜法や演奏法を略記することを省略記号と呼びます。 |
音楽用語 |
浄瑠璃節 |
読み方 |
〔じょうるりぶし〕 |
解説 |
三味線の伴奏に合わせて、劇中人物の台詞やその仕草、演技の描写などを語る語り物の一種。 |
音楽用語 |
序曲 |
外国語表記 |
〔英:overture〕 〔独:Ouvertüre〕 〔仏・伊:ouverture〕 |
解説 |
オペラ、オラトリオ、バレー、組曲などのはじめに置かれ導入の役割を果たす器楽曲。近代に至り演奏会用の独立した序曲も現われました。フランス風序曲、イタリア風序曲。 |
音楽用語 |
初見 |
外国語表記 |
〔英:sight- reading〕 〔独:Vomblattspielen〕 〔仏:déchiffrage〕 〔伊:prima visita〕 |
解説 |
初めての楽譜を見て直ぐに演奏したり歌ったりすること。初見力は音楽家に要求される能力の一つで、特にスタジオ・プレイヤーには必須とされます。 |
音楽用語 |
序破急 |
読み方 |
〔じょはきゅう〕 |
解説 |
邦楽一般では「導入(序)~展開(破)~結末(急)」という構造を表すと共に、序破急と進むに従いテンポが次第に速くなること。雅楽や能楽に見られます。 |
音楽用語 |
ショーロ |
外国語表記 |
〔ポルトガル:choro〕 |
解説 |
ブラジルの古典的な演奏スタイル。フルートと4弦ギターのカバキーニョとギターが掛け合いをしながら進んでいきます。 |
音楽用語 |
シラブル型/メリスマ型 |
外国語表記 |
〔英:syllabic style/melismatic style〕 |
解説 |
共に声楽曲の用語。シラブル型(様式)・・・歌詞の1音節(シラブル)に対し1音符があてられるもの。 メリスマ型(様式)・・・歌詞の1音節に対し数個以上の音を持って歌われるもの。メロディが装飾的に扱われる場合も多いです。 |
音楽用語 |
四六の和音 |
外国語表記 |
〔英:six-four chord〕 |
解説 |
三和音の第5音を根音とする和音で、(三和音の)第2転回位置ともいいます。根音から4度、6度の音にあたることから、このように呼ばれます。 |
音楽用語 |
白玉 |
読み方 |
〔しろたま〕 |
解説 |
二分音符、全音符など白丸で記される音符の俗称。 |
音楽用語 |
シロフォン |
外国語表記 |
〔英:xylophone〕 |
解説 |
木琴。鍵盤状に配列された木製の音板を、両手に持った木製のマレットで叩いて演奏します。共鳴箱や共鳴管が下部に付けられているものが多いです。起源は堅い木を打ち合わせる拍子木のようなものが考えられ、世界中に分布しています。現在のオーケストラに用いられているものは、形態や構造はグロッケンシュピールと同じです。 |
音楽用語 |
シンガー・ソングライター |
外国語表記 |
〔米:singer songwriter〕 |
解説 |
自ら作詞、作曲した歌を歌う歌手のこと。ロック・シンガーではなく、主にミュージック系のソロ・シンガーに対して使われます。 |
音楽用語 |
新古典主義 |
外国語表記 |
〔英:neo-classicism〕 |
解説 |
第一次世界大戦後に盛んになった作曲の傾向の一つ。後期ロマン派における情緒の過剰、管弦楽の巨大化や標題性、また印象主義への反動からなるべく感情や主観を排除し、古典派以前の音楽に見られる単純明快な作曲技法を重視します。ブゾーニ、ストラヴィンスキー、ヒンデミットや、フランス6人組(オネゲル、ミヨー、プーランク、オーリック、タイユフェール、デュレ)らが代表的作曲家です。 |
音楽用語 |
シンコペーション |
外国語表記 |
〔英:syncopation〕 〔独:Synkope〕 〔仏:syncopé〕 〔伊:sincope〕 |
解説 |
弱拍と強拍が結ばれ強弱の位置が変わること。ジャズをはじめポピュラー・ミュージックには極めて多く用いられています。 |
音楽用語 |
シンセサイザー |
外国語表記 |
〔米:synthesizer〕 |
解説 |
「合成」 の意味で、電子回路を使って様々な音色を作り合成することができる装置、楽器。1950年代にアメリカで開発され、1968年にキーボードの付いたシステムが発表されてから急速に普及しました。装置は直流電圧で制御され、機能別に独立したユニットで構成されています。それぞれのユニットは、正弦波、鋸歯状波、ホワイトノイズ(白色雑音)など信号を発生する部分、変調器、濾波器(フィルター)など音色を作る部分、時間的変化を与える部分、これらの信号を処理する部分などに分けられ、コンピュータによる制御も行われます。サンプリング機能を持つものは、自然の音などをサンプリングして演奏したり、PCM音源によるサンプリングを用いて実際の楽器と全く同し音で演奏することもできます。アナログ・シンセサイザーとデジタル・シンセサイザーがありますが、1980年代中頃からすべての要素がデジタル化されたため、現在ではアナログ・シンセサイザーの製造は殆どありません。 |
音楽用語 |
新内節 |
読み方 |
〔しんないぶし〕 |
解説 |
浄瑠璃の一流派で豊後節から別れ出て、内容は濃艶を特徴とします。 |
音楽用語 |
シンバル |
外国語表記 |
〔英:cymbals〕 〔独:Becken〕 〔仏:cymbales〕 〔伊:piatti〕 |
解説 |
円盤形で中央がやや盛り上がった金属製の打楽器で、様々な大きさの種類があります。2枚1組で両手に持ち、打ち合わせて演奏します。スタンドに取付けてスティックなどで打つこともあります。打奏の瞬間よりも、その直後に大きな響きを出すのがこの楽器の特徴で、奏でられる強弱の幅が広いです。 |
音楽用語 |
シンフォニー |
外国語表記 |
〔英:symphony〕 |
解説 |
→交響曲 |
音楽用語(関連) |
心理的離乳 |
外国語表記 |
〔英:psychological weaning〕 |
解説 |
子供が親の保護下にあり依存している状態から、心理的に脱却して一人の個人(社会人)として自立していく過程をいいます。心理的離乳は子供が大人になっていく過程の正常な発達現象であり、必要以上の親の自己満足的な愛情欲求や過保護、また厳しい監督規制などはこの心理的離乳を阻害するものです。 |
音楽用語(関連) |
心理療法 |
外国語表記 |
〔英:psyvhotherapy〕 |
解説 |
心理的手段によって心身の不安や恐怖を取り除いたり、自信回復や対人関係の調整、社会不適合者の行動や態度を改善するために用いる療法。精神分析、行動療法、催眠療法、遊戯療法、作業療法、音楽療法、絵画療法など多様な手法が存在します。 |