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24の調性 [英:24 tonality]

 

5度圏の輪には長調・短調あわせて24の調があり、調によってその曲の雰囲気や音のイメージが決まります。

 

 

 

様々な調の性格

 

人それぞれの感性も異なりますが、調にも24通りの個性があり、クラシックに限らず様々な楽曲を聴いて感じた雰囲気の違いは、速度や曲想による違いもありますが、調の個性による違いが最も関連している要因でもあり特徴のひとつです。

 

ハ長調の楽曲を変ホ長調で聴いた時などは、より顕著に感じられます。

 

長調・短調といった調性の考え方は、18世紀の古典派と呼ばれれる時代に確立されたもので、それまでのバロック時代には教会旋法も用いられていた為、その頃はまだ調性という理念自体は不安定なものでした。

 

J.Sバッハに至り、オクターヴ内の12の音による長・短調合わせての「平均律クラヴィーア曲集」が24の調性で構成されています。

 

個々の感性や作曲家の曲によっても幅がありますが、ここでは一般的な調性について見ていきます。

 

尚、24の調性に加えて異名同音調から嬰へ長調、嬰ニ短調、変イ短調を含めた27の調性について解説していきます。

 

 

【長調・短調】 様々な調性

 

基本調 調の名曲 解説

◇バッハ
『平均律クラヴィーア曲集第1巻第1番プレリュード』
◇ラヴェル
『ボレロ』

長調での「基本調」で、黒鍵(派生音)を全く使用しないので、素朴で安定感があり歌いやすいのが特徴です。

◇ベートーヴェン
『エリーゼのために』

短調の「基本調」で、素朴で柔らかい悲しみを表現し、女性的で混じりけのない澄み切った響きが特徴です。

 

♯系の長調 調の名曲 解説

◇モーツァルト
『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』

明るく力強い長調で、活気があり快活さを持つのが特徴です。

◇ベートーヴェン
『ヴァイオリン協奏曲 ニ長調』

ヴァイオリンに演奏しやすく、喜びと勇壮さを表現し、華麗で明るい響きが特徴です。

◇ショパン
ポロネーズ第3番『軍隊』

陽気で輝かしさのなかに、その澄み切った音調により、どこか孤独感があるのが特徴です。

◇ショパン
エチュード第3番『別れの曲』

社交音楽に適し、古風な煌びやかさの中にも、どこか切ない面も併せ持つのが特徴です。

◇ブラームス
♪『ピアノ三重奏曲第1番』

硬質な印象で重々しく、儀式的な曲想をもたらすのが特徴です。

◇ショパン
ノクターン 第5番 嬰へ長調

#が多くなり煌びやかさが増し、色彩的でロマン的な趣をもたらすのが特徴です。

 

♭系の長調 調の名曲 解説

◇ベートーヴェン
交響曲第6番『田園』

柔らかさや優しさを表現し、明るく長閑で牧歌的な響きが特徴です。

◇シューベルト
エレンの歌第3番『アヴェ・マリア』

壮麗でゆったりとした柔和な輝かしさで、滑らかな動きに適するのが特徴です。

◇ベートーヴェン
交響曲第3番『英雄』第1楽章

華麗で荘重、壮大な曲想で柔和な中にも悠然さを持つ響きが特徴です。

◇リスト
『愛の夢』第3番

♭が多くなりしっとりとした趣が強まり、夢想的で繊細な響きが特徴です。

◇ショパン
ワルツ第6番『子犬のワルツ』

高尚で華美、雄大で歓喜に適する活発な音色が特徴です。

◇ドビュッシー
『亜麻色の髪の乙女』

嬰へ長調と異名同調で、音階のほとんどの音が半音下がっているので、しっとりと落ち着いた優和で華美な響きが特徴です。

 

異名同調での音色の違い

 

異名同調では、演奏者が作り出す音色によって相当な変化の違いが生まれ、一般的にピアノでは嬰へ長調は指を立てて弾きますが、変ト長調では指を寝かせて柔らかいタッチで弾かれます。

 

♯系の短調 調の名曲 解説

◇ラフマニノフ
交響曲第2番『第3楽章』

悲歓で暗い情熱が感じられ、深く沈み込んだ響きが特徴です。

◇チャイコフスキー
交響曲第6番『悲愴』第1楽章

非常に暗く憂愁で、孤独で奇異な感じの響きが特徴です。

◇ブラームス
『ハンガリー舞曲第5番』

暗く神秘的で、張りつめた緊張感を与える響きが特徴です。

◇ショパン
『幻想即興曲』

最も陰暗な調の一つで、悲愴で冷たい金属的な響きが特徴です。

◇リスト
パガニーニによる大練習曲第3曲『ラ・カンパネッラ』

非常に陰暗で音響効果に乏しいため、あまり使用されることのない調です。

◇スクリャービン
♪『12の練習曲作品8第12番』

変ホ短調と異名同調であり、緩慢な調で滅多に使用されることのない調です。

 

♭系の短調 調の名曲 解説

◇ベートーヴェン
交響曲第9番『合唱』第4楽章

崇高で素朴な響きが特徴で、木管楽器に適する調です。

◇モーツァルト
交響曲 第25番 ト短調

深く透明な悲しみ、時にロマン的な高揚を感じさせる響きが特徴です。

◇ベートーヴェン
交響曲第5番『運命』第1楽章

最も荘重で、悲劇的な調で、柔和の中に真剣な情熱を持つ響きが特徴です。

◇ベートーヴェン
ピアノソナタ第23番『熱情』第3楽章

暗い情熱があり、内面の苦しみや悲しみを想像させる響きが特徴です。

◇ショパン
ノクターン第1番 変ロ短調

葬送行進曲向きの陰暗で憂鬱で、くすんだ響きが特徴です。

◇プロコフィエフ
♪『交響曲第6番』

陰気な調の一つですが、どこか神秘的で多少の温かさも感じられる調です。

◇ベートーヴェン
♪ピアノソナタ第12番第3楽章『葬送行進曲』

嬰ト短調と異名同調で、悲愴で心を裂くような沈んだ色彩のような響きが特徴ですが、ほとんど用いられない調です。

 

調の感性

 

クラシック音楽に限らず、ポピュラー音楽や他のジャンルの音楽でも、音楽を聴く際には調性に関心を持って聴いたり、演奏するときにも作曲者がその調性を選んだ理由などを注意深く感じることで、より音楽への感性が磨かれることでしょう。

  







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