略記法 【楽典】ピアノ/ギター入門 初心者向け音楽 音符・楽譜の読み方
楽譜を書く手間を省くために略記法が用いられ、装飾記号やコードネームもその内の一つで、最も略記法で応用されているものが反復記号です。
長い小節にわたる繰り返しを書く時の手間を省く為に、縦線の変形と文字(数字)による指示が記されます。
反復記号が用いられた楽譜の進行例
演奏順序 AーBーAーBーCーDーCーD
反復記号は繰り返したい側に二つの点を打った複縦線で、点の付く側の線は細く記しリピート記号ともいいます。
二つの反復記号が重ねられる場合は形が変わります。
なお、曲の最初から反復する場合は、初めの反復記号は省略されます。
カッコによる反復の進行例
演奏順序 AーBーCーAーBーCーAーBーDーE
歌曲などで終わる箇所のみが異なる場合は、1カッコ、2カッコなどを小節の上に記して演奏順序を指示します。
文字による反復の進行例
演奏順序 AーBーCーDーAーB
演奏順序 AーBーCーDーEーFーCーDーG
文字による指示で一般的に用いられているものに「D.C.」「D.S.」があります。
D.C.(ダ・カーポ)・・・・・曲の最初から繰り返す
D.S.(ダル・セーニョ)・・・(セーニョ)の場所から繰り返す
どちらもFine(フィーネ)または(フェルマータ)が付けられた場所で終わります。
(コーダ)・・・繰り返しの際にtoからCodaに飛んで演奏することを指示します。
これ以外にはVi-deという二つに分けられた文字で、繰り返しの際にその間を飛ばして演奏するという意味で、曲の中間へ飛ぶ場合の指示で用いられることがあります。
なお「D.C.」や「D.S.」を用いた際は、反復記号による繰り返しをしないのが通例です。
リピート・マーク |
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外国語表記 |
〔英:repeat mark〕 〔伊:replica〕 |
解説 |
「リピートマークで挟まれた部分を繰り返す」 反復記号ともいい、太線と細線の複縦線に2つの点を付けた記号。五線上にこの記号を2つ向かい合わせに記し、挟まれた部分を繰り返します。曲の始めから繰り返す場合には、冒頭の記号を省略することが一般的です。 |
1番カッコ/2番カッコ |
外国語表記 |
〔伊:prima volta / seconda volta〕 |
解説 |
「リピート・マークによって繰り返しをする際、後半の小節が1度目と2度目で異なる場合に用いる記号」 1度目は1番カッコ内を演奏し、2度目は1番カッコを飛ばして、2番カッコ以降を演奏します。 |
ダ・カーポ |
D.C. |
外国語表記 |
〔伊:da capo〕 |
解説 |
「この記号が記されたところから曲の初めに戻り、FineやCodaなどの終止記号まで演奏する」 |
ダル・セーニョ |
D.S. |
外国語表記 |
〔伊:dal segno〕 |
解説 |
「D.S.が記されたところから「」のところに戻り、Fineなどの終止記号まで演奏する」 「」はアルファベットの「S」を図案化したもので、セーニョ・マークといいます。 |
コーダ |
Coda to Coda |
外国語表記 |
〔伊:coda〕 |
解説 |
「toからCodaに飛んで演奏する」 単に楽曲の終結部(エンディング)のことを、Codaと呼ぶ場合もあります。 |
フィーネ / アル・フィーネ |
Fine/al Fine |
外国語表記 |
〔羅:fine/al fine〕 |
解説 |
「終わり」 Fineは「終わり」の意味。D.C.やD.S.で反復をした際、このFineのところで演奏を終わらせます。al Fineは「終わりまで」の意味。D.C. al Fineは「初めに戻ってFineまで演奏する」という指示。 |
ビス/テル/クァテル |
bis ter quater |
外国語表記 |
〔羅:bis ter quater〕 |
解説 |
「数小節の短い部分を反復する際、該当する小節に記すラテン語の記号」 「bis」は2回、「ter」は3回、「quater」は4回、繰り返して演奏します。
◇楽譜上の表記 ◇実際の演奏
◇楽譜上の表記 ◇実際の演奏
◇楽譜上の表記 ◇実際の演奏 |
エックス・タイムズ・リピート |
X times Repeat |
外国語表記 |
〔英:X times repeat〕 |
解説 |
「リピート・マークの部分を3回以上演奏する場合に、その回数を指定する書き方」 「3 times」とあれば3回、「4 times」とあれば4回演奏します。「X times Repeat」と記されている場合、繰り返しの回数は演奏者に任せられます。 |
コン・レプリカ |
con replica |
外国語表記 |
〔伊:con replica〕 〔英:with repeat〕 |
解説 |
「反復を伴って」 D.C.やD.S.で戻った後はリピートを省略するのが通例ですが、「con replica」の指示があった場合は省略せずに反復します。 |
音符、和音の省略記号 |
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外国語表記 |
〔英:abbreviation〕 |
解説 |
「音符や和音を省略するための記号」 「」は小節内で同じフレーズが続く場合に、2拍目以降を省略するための記号。「」はギターなどで同じ和音が続く場合に、2番目以降を省略するための記号。連桁と棒だけを記譜して、符頭を省略する記譜もあります。
音符、和音の省略記号の演奏法
◇楽譜上の表記 ◇実際の演奏
◇楽譜上の表記 ◇実際の演奏
◇楽譜上の表記 ◇実際の演奏 |
センツァ・レプリカ |
senza replica |
外国語表記 |
〔伊:senza replica〕 〔英:straight〕 |
解説 |
「反復なしで」 D.C.やD.S.で戻った後はリピートを省略するのが通例ですが、「senza replica」はこの省略を改めて指示、確認したものです。 |
小節の省略記号 |
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外国語表記 |
〔英:abbreviation〕 |
解説 |
「同じフレーズの小節が続いている場合に、記譜を省略するための記号」 「」:前の1小節を繰り返す。「」:前の2小節を繰り返す。「」:前の4小節を繰り返す。4小節以上の省略を表す場合、該当する数字を書き添えるのが一般的です。
小節の省略記号
◆前の1小節を繰り返す
◆前の2小節を繰り返す
◆前の4小節を繰り返す |