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管楽器はどのようにして音を出すの?~管楽器の性格と特徴

 

金属製のサクソフォンが木管楽器に分類されているように、木管楽器と金管楽器の違いは、材質ではなく音を出す仕組みの違いにあります。

 

金属製のボディでも、発音原理が木管楽器と同様であれば木管楽器に分類されます。

 

また、木管楽器のグループでも音の出る仕組みは楽器によって異なります。

 

 

 

木管楽器の発音原理

 

フルートの発音原理は、丸い孔が開いている一つの吹きロの孔の角に、唇でまとめた細い息を当て、空気の振動を発生させて音を出す仕組みです。その他の木管楽器の発音原理である、振動させて音を発生させるリードなどはありません。

 

ビール瓶の先に口先を当てて音を出す原理と同じで、日本の横笛や尺八も同様の発音原理の楽器になります。但し、この原理で音を出すためには、ある程度の訓練が必要であり正しい口の形を習得しなければならず、リコーダーのように容易に音が出るわけではないのです。

 

特に高い音域では、その他の木管楽器のように、高い音をサポートするオクターブキーが備えられているわけではないので、美しく綺麗な音を出すには多少の時間を必要とします。しかし、一度正しい口の形や息のコントロールをマスターすれば、その後はオクターブの選択はもちろんのこと、音の強弱や音色の変化から音程の微調整まで、全て自分の唇のコントロールで生み出すことが可能になります。

 

オーボエやファゴットなどのダブルリード楽器は、薄く削って合わせたニ枚のリードの間に息を入れて振動させることで音を発生させています。草笛を鳴らす原理と同じで、合わさったニ枚のリードの両方が振動しているので、発せられる音には様々な成分を含んだものになります。

 

発音方法を誤ると耳障りで野性的な音になってしまう危険性も秘めますが、上手くコントロールすることができれば、心を揺さぶる味わい深い音を出すことができます。

二枚のリードが単独で振動しているのではなく、息の入るリードの先端部分が閉じたり開いたりすることを繰り返しています。上下の唇で挟む力が強くなりすぎると息の通り道がなくなり、反対に唇の挟み方が弱いとリードが振動しません。微差をコントロールするコツを体得できれば、唇の加減で微妙なニュアンスを表現することが可能になります。

 

クラリネットやサクソフォンなどのシングルリード楽器は、基本的な発音原理はダブルリード楽器と同じですが、シングルリード楽器はリードが一枚で、片側はリードではなく硬いマウスピースを使用します。

 

振動する部分はリードが付いている片方のみとなるので、発せられる音はダブルリード楽器ほどの複雑な音ではなく、雑味のないクリアな音になる傾向があると言えます。マウスピースがあるため口を安定させやすく、取り扱いが簡素化されるメリットがあります。

 

シングルリード楽器での口の形状は、片方がマウスピースになるためダブルリード楽器とは異なり、リードが付いていない上側は振動しないので、リードが当る下唇をコントロールする必要があります。

 

稀にオーボエのように両唇を巻く「ダブルリップ」の形で吹く奏者もいますが、一般的に多くの場合は、上側の歯を直接マウスピースに当てて噛む「シングルリップ」の形を採用しています。

 

下唇の形や硬さが音色や音量などに大きく影響しますが、サクソフォンの場合はクラシックとジャズで求められる音質が違うため、下唇の形や位置が大きく異なります。

 

 

 

金管楽器の発音原理

 

金管楽器は、人間の唇をリード代わりに振動させて音を発生させる楽器です。楽器側に音が出る仕組みがあるわけではなく、唇で発生させた管の振動をメガホンのような役割のベルで増幅させている原理です。

 

奏者自身の唇を発音体にしていることから、訓練を重ねて正しい吹き方をマスターすれば、歌を歌うときと同様に音程を自分の意志で自由にコントロールすることが可能になります。

 

このような点では、金管楽器を操るためには、木管楽器の発音原理をしっかりと学ぶ必要があります。

 

奏者自身の唇がオーボエやクラリネットなどのリード楽器のリードに相当するということは、リードが効率良く鳴る仕組みと関係しています。

 

金管楽器で高い音を出す場合に唇に力を入れ過ぎると、リードを締め付けてしまうのと同じように上手く音が鳴ることはありません。

 

木管楽器が高音域を演奏する際、同じ幅でリードが振動していますが、金管楽器の場合も同様に、高音域でも唇の振動する幅を確保しなければいけない事が分かります。

  




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