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トロンボーンの構造と特徴 ~初心者入門 金管楽器 トロンボーンの仕組み

トロンボーン本体

 

 

 

 

細管と太管どちらを選べばいいの?

 

トロンボーンは他の管楽器とは異なり、外観の見た目ですぐに分かるほど管の太さに違いがあります。管の種類を大別すると、「細管」「中細管」「太管」の三種類があり、管が細いものはベルも小さく、太いものはベルも大きいとう傾向があります。

 

例外があり一概には言えないものの、細管はジャズ太管はクラシックで使われていることが多いです。

 

ジャンルによって管の太さが違うようになった経緯には、ジャズが積極的にマイクを使用したのに対し、クラシックでは生音にこだわり、マイクを使用することを避けていたことが大きく関連しています。

 

マイク近辺で音を出すジャズの場合は、ささやくような小さな音も拾われ、大きな音を出した際も割れる心配はありませんが、クラシックの場合は、巨大なホールの隅々まで生音を到達させて、尚且つ音が割れないことが求められるので、楽器の管を太くしてベルを大きくするしかなかったのです。

 

しかし、現代のクラシックのレパートリーの大部分は、繊細な音を備える細管トロンボーンを想定して書かれているものなので、繊細な音の表現に近付けるため、管の細いドイツタイプのトロンボーンを使用するオーケストラも見受けられ、細管と太管の中間に位置する中細管トロンボーンも需要があります。

 

 

 

 

Fアタッチメント付モデルと通常モデルどちらを選べばいいの?

 

トロンボーンには、シンプルなテナートロンボーンの他に、アタッチメント(ヴァルブ操作でF管の長さになる)を装備したテナーバストロンボーンがあります。この「Fアタッチメント」は本来テナートロンボーンの演奏で、バストロンボーンの音域をカバーできるように生み出されたものでした。

 

現代でも本来の目的のために使用されることはあるものの、Fアタッチメント付きを利用する上で重視されたのは、アタッチメントを用いることで遠いポジションの音を近くのポジションで演奏できるという利点で、オーケストラや吹奏楽団、また学校の吹奏楽などでも標準装備扱いで利用されています。

 

しかし、このFアタッチメントが付いていることで、楽器が重くなり音色が変わると言う事で、シンプルなテナートロンボーンにこだわるプレイヤーも少なくありません。この機能がないことで楽器本来の重量が保たれ、音抜けが良くなりトロンボーン本来の音が出るという捉え方です。

 

また、初心者の方が初めからFアタッチメントを利用することで、遠いポジションを練習しなくなることにつながってしまうと問題となってしまいます。

 

太管トロンボーンは同じ管体でFアタッチメントの有無を選択できますので、どちらのタイプが自身に合っているかを考慮した上で選ぶようにしましょう。

 

 

 

 

ヒモを付けて応用する

 

トロンボーンはスライドを最長に伸ばした第七ポジションまで、自在に操作する必要がありますが、リーチの短い方では届かないケースがあります。仮にギリギリ届いている場合であっても、実際の楽曲の中で使いこなすことは難しい場合があります。

 

現実的にはFアタッチメントを使用することで、遠いポジションの操作を控えることはできますが、トロンボーンのスライドアクションは見せ場になりますので、この魅力を最大限に生かしたいものです。

 

スライドが最長まで届かない場合やそうでない場合も、スライドの持ち手の支柱にヒモを取り付けて、それを右手の薬指に括って使用することを推奨します。

 

このヒモを取り付けることにより、遠いポジションが手軽に演奏できるようになり、スライドが離れて行きそうになった時に、万が一の命綱の役割としても役に立ちます。

 

 

 

ドイツトロンボーン

 

ドイツの伝統的なトロンボーンは、管の太さが細管に近く、太管よりも大きなベルが付いているのが特徴のトロンボーンです。

 

このように、通常のトロンボーンとは少し異なるタイプの楽器が製作され使用されてきました。

 

このトロンボーンの特徴は、細管特有の締まりがある表現が可能でありながら、大きなベルで柔らかさも織り交ぜられた、魅力的な音色を奏でられることにあります。

 

しかし良いメリットだけではなく、通常のトロンボーンよりもスライドが長くて操作がしづらい点もあるので、アメリカタイプの太管を利用する人も見受けられましたが、今日では通常と同じ長さのスライドを備えたトロンボーンも製作されています。

 

 

 

仲間の楽器~アルトトロンボーン~

 

トロンボーンの仲間には、E♭管のアルトトロンボーンがあり、テナートロンボーンよりも小型で短い楽器になります。

 

今日、トロンボーンはB♭管のテナー数本とバスでセクションを組んでいますが、以前はサクソフォンのように、長さの異なるアルト、テナー、バスの三種類の楽器で組まれていました。

 

その一番上のパートを担当していたのがアルトトロンボーンで、今日でもモーツァルトやベートーヴェンなど年代が古い楽曲を演奏する時に、必要不可欠な楽器として重宝されています。

 

アルトトロンボーンが小型で短いことで、テナーよりも特別高い音が出るわけではありませんが、独特の明るさで美しい音色で、古典派時代に書かれた独奏曲も数多くあります。

  




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