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音楽が伝わる脳の仕組み

 

音楽を創り、奏で、聴く。そして音楽に感動するのは私たちの脳の働きによるものです

 

音楽を知るために、科学的に解いていくためには脳を知らなければなりません。

 

音楽が私たちの脳にどのような影響を及ぼすのかを知ることは、音楽理解の第一歩です。

 

 

 

音楽に関する脳回路

 

音楽に関する脳回路のうち、聴覚野の上側頭回と右脳の前頭側が旋律処理に関わっています。

 

ピッチの認知は右前頭葉前部が活性化し、ピッチを一時的に記憶しておく際は、右前頭葉前部と右側頭葉が活動します。

 

視唱の際には左後頭頭頂骨の皮質が活動しますが、これは後頭葉には視覚に関わる視覚野があるためで、この部分は楽譜を見ている時や思い浮かべる時でも活動します。

 

このような現象は音を空間的、時間的に扱う音楽の特性を反映しています。

 

和音処理の和音の知覚に特徴的なことは、蝸牛をはじめとした末梢神経が振動としての音を分析し、脳で理解可能な情報に加工する機能を持っていることです。そして、聴覚経路に存在するたくさんの神経細胞が、それぞれ異なった周波数へ同期して反応することです。

 

神経核や脳の聴覚野のニューロンも、担当する周波数によって整然と並んでおり、ピッチや音の大きさなど基本的な音楽知覚は両半球の一次聴覚野で行われます。対して二次聴覚野では和音が処理されます。

 

左右の聴覚野では、周波数に対するニューロンの反応に差があり、右聴覚野では周波数により厳密に反応しますが、左聴覚野ではテンポや時間感覚の知覚に敏感に反応します。

 

従って周波数解析は主として右半球で行われ、時間(テンポ)の処理は左半球で行われることになります。また、協和音と不協和音ではニューロンの反応の仕方が異なります。

 

協和音・不協和音の違いは、蝸牛基底膜の構造と発火パターンに依拠しているといわれています。協和音の場合の神経発火の反応は、実際に和音に含まれる音に反応するニューロンに加え、各音と関連した倍音に対応するニューロンも同時に発火します。

 

対して不協和音は、和音構成音と全く関連のない音に対応したニューロンも発火します。さらに、基底膜ではたくさんの部分音(倍音)に対応するニューロンは非常に近接しています。そのため不協和音ではお互いが相互に干渉し合い、末梢神経や中枢神経に複雑な変動を引き起こし、これが不協和音を聴いた時のひずみの感覚になるのです。

 

 

音楽の記憶

 

私たち人間の脳は、自分の好みの曲を何度も繰り返し聴いた楽曲では、かなりの正確さで構成している音を記憶しており、記憶された楽曲を歌ってみると、多くの人がオリジナルの調性で歌えることがあります。

 

音楽の記憶は極めて忠実な形で蓄積されていて、記憶は脳の決まった箇所に保管されているのではなく、ニューロンのグループによりコード化されています。

 

コード化が正しく構成されていると、記憶が呼び戻されて音楽の情報が再生されます。正しく再生されない場合は記憶が保管されていないからではなく、該当する記憶に辿り着く手がかりが見つからないためです。

 

音楽の演奏における記憶に関わっているのは、聴覚運動感覚視覚情報で、耳の記憶である聴覚的記憶によって楽譜の中で次に来る音符や記号を予期することや、自分の演奏を評価することを含め、ある曲の音をイメージすることが可能となります。

 

視覚的な記憶は、音符が書かれたページのイメージ、目に映るその他の演奏環境の光景から成り立っています。例えば、ピアニストをはじめ鍵盤楽器奏者は、手や指の位置、和音を弾いた際の見た目、演奏した際に鍵盤に形成されるパターンといったことが想起されます。

 

運動感覚の記憶である指、筋肉、または触覚の記憶は、演奏者が複雑な運動の連鎖を自動的に行えるようにしてくれます。

 

ピアニストに関していえば、運動感覚の記憶は指・手首・腕の練習を長い期間行うことによって形成され、その記憶は「ある鍵盤からある鍵盤までの位置と動き」「打鍵したときの抵抗感」という二つの形で存在します。

 

しかし、和声学・対位法・音楽形式を含む音楽構造の知識がなければ、本当の意味で楽曲を知的に覚えることはできません。このような知識を持たずして、聴覚的な記憶、視覚的な記憶、運動感覚的な記憶は適切に機能することはないのです。

 

 

 

逆U字曲線

 

音楽の好みに対して示したもので、音楽の複雑さと好みの関係は逆U字型の曲線で表現できます。縦軸が音楽に対する好みを表し、横軸が音楽の複雑さを表します。

 

縦軸の音楽の好みがプラスに働くほど、より好きな音楽であることを表し、横軸の音楽の複雑さが原点付近にある場合では、とても単純構造の音楽で好みも最低値となります。

 

横軸の音楽の複雑さが適度な複雑さになると、縦軸の音楽に対する好みがピークになります。適度な複雑さを越え複雑さが増すにつれ、音楽に対する好みも比例するように低下していきます。

 

ある適度な複雑さを越え複雑すぎる音楽になってしまうと、楽曲構造や秩序などを理解することができなくなるため嫌う傾向があります。その結果、音楽の複雑さと好みの関係は逆U字型の曲線になります。

 

複雑さの基準は個人の音楽経験に依存されるので、各種の高度な音楽スキーマが形成されているような方は、一般の人に理解できないような複雑な音楽を好むこともあります。

 

逆U字曲線

 

 

 

 

楽譜の脳内イメージ

 

メロディを分析的に聴く際には、脳内に「楽譜」のようなものがイメージされていると考えられています。

 

一般の方であれば、ピッチの上下がイメージされている程度に対し、音楽家の方であれば、五線譜そのものがイメージされているといわれています。

  







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