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音楽の流れを読むスキーマ

 

音楽の体験は誕生前の胎児まで遡り、その後の音楽経験により音楽知覚の枠組みが形成されます。

 

形成された脳内のスキーマの働きによって音楽の流れ読み、時に裏切られるのです。

 

 

 

音楽の経験と展開を左右するスキーマ

 

出産3カ月前の胎児に何かしらの音楽を聴かせ続けた場合、生後1年ぐらい経過してもその曲に反応すると言われています。

 

その後、自身の音楽経験の中で好みの音楽を見つけ聴き続けた場合、音楽知覚の枠組みを形成するスキーマができあがり、脳内に高度なスキーマが発達していきます。

 

西洋音楽の音楽経験で育てば、西洋音楽に対するスキーマが形成され、他の文化圏で西洋音楽の音楽経験がない下で育てば、西洋音楽の音階に基づく音楽は耳慣れない感じがします。

 

幼い頃は受動的に与えられた音楽を聴くことが音楽経験となりますが、自身の歩みの中で音楽に興味を持ち、次第に好みのジャンルやスタイルの意識が芽生えると、そのジャンルを中心に音楽を聴き始め、ジャンルやスタイルについてのより高度なスキーマを発達させることになるのです。

 

こういったスキーマが成長を遂げていくと、聴いたことのない楽曲を聴いても作者などがわかるようになります。

 

高度なスキーマが出来上がると、無意識のうちに音楽の流れを予測しながら楽曲を聴くようになり、作者の癖や特徴をスキーマが自然と把握し安心して聴くことができますが、スキーマ通りの音楽を長時間聴き続けると退屈してしまうものです。

 

スキーマの予測に対する程良い裏切りが、音楽に対する興味を持続させる要因ではありますが、逆に形成されたスキーマに反した裏切りばかりの音楽を聴き続けると、スキーマが適用できず訳がわからない状態になってしまいます。

 

 

音楽を認識する脳内

 

すべての認知機能は人間の身体のなかで最も複雑な器官である、脳の外側部の大脳皮質に支配されています。

 

音から音楽を認識する脳でのスキーマの活動は、脳内の電気信号の活動として観測されます。

 

音楽情報の中でも、和音進行のような楽曲を構成する音響情報に関するスキーマの活動は、前頭葉のブローカ野のような言葉の文法を処理する領域の近くで行われています。

 

この音響情報を処理した後にスキーマの活動は活性化され、左半球の側頭葉上部の背(左耳の後上方)に位置するウェルニッケ野(言語解読に特化)の近くの領域で、音楽の意味を処理する活動が行われます。音楽と言語に対する処理活動は、一部の神経資源を共有しながら独立した径路も持ち合わせています。

 

このように脳内に形成されているスキーマの活動により、音楽を聴いた際に無意識に起こる楽曲の流れの予測が行われているのです。

 

音楽との関わりで重要なのは情動を司る扁桃体海馬で、入ってきた情動(刺激)が心地よいものか不快なものかを即座に評価・判断するのが扁桃体の役目となります。

 

経験や学習したことの記憶を司るのが海馬で、環境に則した適切な行動がとれるのは、扁桃体と海馬が互いに連携して対処できるためです。

 

脳内では聴覚機能の蝸牛から受け取った信号を基に、ピッチ、音色、ピッチの変化パターン、リズム等を脳内の各機能が個別に分析しています。

 

蝸牛→蝸牛神経核→下丘→内側膝状体→一次聴覚野→二次聴覚野→大脳辺縁系の経路で処理され、これらの処理結果をもとに前頭葉は全体の時間パターンに応じた決まりや構造を見つけ出そうとし、海馬側頭葉の内部にある領域にアクセスして、記憶されている過去の音楽情報を呼び出して比較します。

 

聴いている音楽情報が過去に聴いたことのあるパターンなのかを判断するのです。

 

 

 

脳(外部)

 

 

 

 

脳(内部)

 

  







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