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リズムの仕組み・テンポの秩序 【音楽の勉強・用語】

 

音楽は時間の流れの中で展開される芸術、時間の流れの指針を形成するのがです。

 

「拍」はリズムの基本単位で、拍のパターンにより拍子が作られていきます。

 

 

 

拍と拍子

 

リズムは「拍」を基準として作り出され、拍のパターンにより拍子が決まります。1小節が3拍のパターンでは3拍子、1小節が4拍のパターンでは4拍子となります。

 

拍子は分数の形で示された拍子記号によって、「拍の数」と「拍を表す音符の単位」を定義し、楽譜にある小節線の区切りで拍子の境目を表しています。

 

拍子記号はのような分数形式で表され、分母が「拍を表す音符の単位」を示し、分子が「拍の数」を示しています。

 

の場合であれば、四分音符を1拍として2拍数える2拍子であることを意味し、の場合であれば、8分音符を1拍として6拍数える6拍子であることを意味します。

 

 

 

拍の強弱

 

拍に強弱を付けることで安定したリズム・パターンを作り出すことができ、拍子が明確になります。

 

2拍子、3拍子、4拍子、6拍子といったリズムの各拍には強弱があり、強い拍を強拍(ダウンビート)、弱い拍を弱拍(アップビート)と呼びます。

 

西洋音楽の拍の強弱パターンは、2拍子では「強・弱」、3拍子では「強・弱・弱」、4拍子では「強・弱・中強・弱」、6拍子では「強・弱・弱・中強・弱・弱」の繰り返しパターンになり、いずれも小節の先頭にアクセントがあります。

 

ポピュラー音楽のジャズやロックなどの場合には、強弱が入れ替わるオフビートアフタービートといわれるリズムがあり、例えば4拍子の楽曲では2拍目と4拍目にアクセントがあり、これによりスイング感やビート感を生み出すことができます。

 

拍子記号と強拍と弱拍

 

 

 

メトロノーム記号と速度標語

 

テンポはメトロノーム記号速度標語で指示がされています。

 

テンポは「速い」「遅い」等の楽曲の速さを意味しますが、定量的に表現する時には1拍あたりの速度を表し、一般的なメトロノーム記号では1分あたりの拍の数(BPM:beats per minute)でテンポを表現します。

 

また、モデラート、アンダンテ、アレグロ、プレストといった速度標語でテンポを指示することもあり、速度標語のテンポはある程度メトロノーム記号に対応しますが、解釈は演奏者の判断に委ねられます。

 

メトロノーム記号

 

メトロノーム記号

60

外国語表記

〔英:metronomic indication〕

解説

「曲の速度を指定する記号」

M.M.はメルツェルズ・メトロノームの略で、数字は1分間に打つ拍の数を示し、M.M.=60の場合は、1分間に4分音符を60回打つということになります。左の音符はなど基本になる拍によって変わります。M.M.は省略されることも多いです。またB.P.M(Beats Per Minute)と表記する場合もあります。=60ca.のca.はcirca(チルカ)の略で、「だいたい」という意味です。ca.の代わりに≒を用いることもあります。

 

◇楽譜上の表記

=60 B.P.M=60 M.M.=60 (=60ca.)

 

速度標語

 

レント

Lento

外国語表記

〔伊:lento〕

〔独:langsam〕

解説

「緩やかに、遅く」

物理的に時間がかかる様を表し、「気長に、のろい」などの意味で使われることもあります。ドイツ語のlangsam(ラングザーム)も、ドイツ系の作曲家に度々用いられています。

ラルゴ

Largo

外国語表記

〔伊:largo〕

解説

「幅広く」「緩やかに」

イタリア語で「広い」という意味。1音の幅を広くという意味合いから、緩やかな速度記号として使用されるようになりました。発想記号のlargamenteも、ほぼ同じ意味になります。

ラルゲット

Largetto

外国語表記

〔伊:larghetto〕

解説

「Largoよりもやや速く」

イタリア語では「-etto」を形容詞の末尾に付けるとその意味が弱められます。この場合では「largoほどゆっくりではなく」という意味になります。

アダージョ

Adagio

外国語表記

〔伊:adagio〕

解説

「緩やかに、ゆったりと」

イタリア語では他に、「静かに」や「慎重に」などの意味もあります。ソナタや交響曲、協奏曲などでは、度々第2楽章にこの指示があります。

グラーヴェ

Grave

外国語表記

〔伊:grave〕

解説

「重々しく、ゆったりと」

元々の意味は「厳粛に、深刻な」などです。重々しさを表現する結果として、ゆっくりという意味が加わります。速度標語として使われる他に、曲の表情を説明する発想標語としても使われます。

アダージェット

Adagietto

外国語表記

〔伊:adagietto〕

解説

「Adagioよりやや速く」

イタリア語では「-etto」を形容詞の末尾に付けると、その意味が弱められます。この場合では、「adagioほどゆっくりではなく」という意味になります。

アンダンテ

Andante

外国語表記

〔伊:andante〕

解説

「ゆっくり、歩くような速さで」

元々の言葉は、イタリア語で「行く、進む」などの意味を持つ「andare(アンダーレ)」で、穏やかな性格の楽曲に使われることが多いです。

アンダンティーノ

Andantino

外国語表記

〔伊:andantino〕

解説

「Andanteよりやや速く」

イタリア語では「-etto」と同じように、「-ino」を形容詞の末尾に付けてもその意味が弱められます。この場合では、「andanteほどゆっくりではなく」という意味になります。

モデラート

Moderato

外国語表記

〔伊:moderato〕

解説

「中庸の速さで」「中ぐらいの速さで」

元々の言葉は英語の「medium、middle」などと同じで、イタリア語では「適度な、程よく」などの意味があります。

アレグレット

Allegretto

外国語表記

〔伊:allegretto〕

解説

「やや速く」「Allegroより少し遅く」

イタリア語では「-etto」を形容詞の末尾に付けると、その意味が弱められます。この場合では、「allegroほど速くなく」という意味になります。

アレグロ

Allegro

外国語表記

〔伊:allegro〕

解説

「快活に」「速く」

元々は「明るく、元気に」などの意味で、ここから速いテンポの楽曲の速度記号として、使用されるようになりました。

ヴィヴァーチェ

Vivace

外国語表記

〔伊:vivace〕

解説

「活発に」「速く」

allegroより速く活き活きと鮮やかなイメージで。また、「非常に、きわめて」という意味の接尾語である「-issimo」を付けたvivacissimo(ヴィヴァーチッシモ)「非常に速く」も度々使われます。

ヴィーヴォ

Vivo

外国語表記

〔伊:vivo〕

解説

「活発に」「速く」

vivaceとほぼ同じ意味。allegroと併用したallegro vivo(アレグロ・ヴィーヴォ)「速く、活発に」もよく使われますが、こちらはallegroの意味を強調した使い方。

プレスト

Presto

外国語表記

〔伊:presto〕

解説

「急速に」「非常に速く」

vivacissimoよりも速いテンポを指定する際に用いられますが、使用頻度はvivacissimoよりずっと多く、次第に熱狂的になり、テンポが速くなっていくような楽曲の最後に度々見られます。

プレスティッシモ

Prestissimo

外国語表記

〔伊:prestissimo〕

解説

「きわめて速く」

「-issimo」は「非常に、きわめて」という意味の接尾語で、prestoの最上級を表します。演奏可能な最も早い速度を、指定する場合に度々用いられます。

 

 

 

テンポの変化を表す速度標語

 

速度標語にはテンポの変化を表す用語もあります。

 

速度標語

accel.(accelerando)

読み方

アッチェレランド

解説

だんだん速く

速度標語

rit.(ritardando)

読み方

リタルダンド

解説

だんだん遅く

速度標語

in tempo

読み方

イン・テンポ

解説

一定の正しい速度で

速度標語

a tempo

読み方

ア・テンポ

解説

元の速さで

速度標語

tempo rubato

読み方

テンポ・ルバート

解説

自由なテンポで

  




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