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リズムの揺らぎ

 

演奏家は楽譜通りに演奏しているのではなく、楽譜から解釈された音楽イメージを演奏しています。

 

芸術的逸脱と呼ばれる音楽の芸術的な質を高めるために、意図的にずらして演奏を行います。

 

 

 

リズムの揺らぎ

 

人間が奏でる演奏には、制御できないフレーズでテンポが揺らぐこともあり、厳格に楽譜の指示に従って演奏している訳ではありません。

 

揺らぎのないリズムは機械的でつまらない音楽となってしまいますので、演奏家は芸術的な表現をするために楽譜通りには演奏せずに、意図して揺らぎを作りズラしの演奏を行います。

 

「揺らぎ」を作りズラす行為により、コンピューターなどでは表現できない聴衆者への音楽的表現力となります。

 

人間は機械ではないので、ある程度の揺らぎをもって演奏せざるを得ないですし、コンピューターなどの演奏ではこの揺らぎがないため不自然に聞こえてしまうものです。

 

演奏家が音楽の芸術的な質を高めるために、意図的にずらして演奏する「揺らぎ」は芸術的逸脱と呼ばれますが、演奏技術が未熟な為に生じた大きな揺らぎは、「揺らぎ」に該当することはありません。

 

同じ1拍の演奏時間に生ずる「揺らぎ」にも違いがあり、小刻みに変化する揺らぎと大きなうねりのような揺らぎがあります。

 

小刻みな揺らぎはテンポを制御しきれなかった際に生ずるもので、大きなうねりのような揺らぎは演奏者の意図した揺らぎとなります。

 

テンポの揺らぎ

 

 

ポピュラー音楽ではノリという言葉で表現され、楽譜からずらして演奏することにより、ノリの良さを作り出すことができます。

 

スイング・ジャズのミュージシャンが醸し出すスイング感なども、ノリの良さから生み出されるもので、何十ミリ秒と楽譜より遅れて演奏される微妙なズレが、「あとノリ」といわれる独特のノリを生み出します。

 

グルーブ感を出すリズムの揺らぎの時間比率に関しては、2つの時間間隔の違いの差を際立たせる必要があります。

 

私たち人間の耳が1秒以内の時間間隔で感じる傾向は、物理的に異なる時間間隔の違いを補正し、等間隔に近づけて感じる傾向があり、2つの時間間隔が同じでない場合でも、その差が小さければ同じと感じてしまうのです。

 

そのため、大きな差の意図的なテンポの揺らぎを作るため、演奏者は楽譜上の実際の音符の時間間隔よりも、強調した比で演奏する傾向があります。

楽譜は作曲家の設計図であり、楽譜には様々な作曲家のメッセージが込められていますが、楽譜で伝えられる情報には限りがありますので、演奏家が楽譜から解釈する音楽イメージを演奏を通して表現されます。

 

演奏家が音楽の芸術的な質を高めるために、意図的に楽譜からズレた演奏をする芸術的逸脱は、実際の演奏では時間的なズレの他にピッチにおいても見られます。

 

リズムは主に打楽器奏者が担当しますが、聴き手にリズムを感じてもらうためには、正確にリズムを刻み適切なポジションでアクセントをつける必要があります。

 

リズムやアクセントを楽器を通して刻む場合は、人体の制御と楽器への働きかけが調和して噛み合わないと行うことができず、リズムを刻むという演奏行為は、次の動作準備を並行して行わないと音楽にはならないのです。

 

 

 

合奏時の演奏時間のズレ

 

合奏では複数の奏者が同じ音符を合わせて演奏しますが、人間が演奏する際には微妙なズレが生じてしまいます。しかし、この微妙なズレが音楽的な効果をもたらしているのです。

 

バイオリンの重奏などでは、同時に同じ音を弾いたとき30~50ミリ秒程度のズレが生じますが、このズレがさらに大きなものになると、2音が同時に鳴っていないように聴こえます。逆にこの微妙なズレが無くなってしまうと、2音が融合して1音として感じられるようになります。

 

実際の演奏で生じるこの程度の微妙なズレは、聴き手にとっては充分に複数の音であることが認識でき、尚且つ「ズレている」とは感じられない範囲のズレとなります。

 

このような微妙な時間のズレによって、合奏の醍醐味である重厚さが生まれます。

 

空間系エフェクターと呼ばれるエフェクターでは、広がり感を付加する遅延(ディレイ)音により20ミリ秒程度の遅延時間に揺らぎを与えることができますので、一人で演奏しても合奏しているような厚みのある音を作り出すことができます。

  







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