初めてのベース

エレクトリック・ベース〔英:electric bass 略:E.Bass〕

4本弦を基本として、ピックアップを搭載した低音部を担当する撥弦楽器。
エレクトリック・ベースが登場する以前はコントラバスが主流でしたが、1950年代にエレクトリック・ギターの構造を応用して開発されました。
「ベース・ギター」とも呼ばれフレットが打たれたこともポイントです。その後ポピュラー・ミュージック・シーンを中心に波及し、現代では4本弦のみならず5弦や6弦といった「多弦ベース」も一般化しています。

ベースの種類

アコースティック・ベース

  • 電気的な装置がなく楽器本体が発音体であるベースの総称で、コントラバス、ウッドベース、ダブルベースなども含まれます。通称「アコベ」。
  • アコギタイプのアコースティック・ベースは、コントラバスのような大きさではないため生音は小さく、この楽器の殆どはピックアップの使用を前提として作られています。アコースティックならではの温かい音の響きが特徴です。

エレクトリック・アコースティック・ベース

  • エレアコと同様にアコースティックの本体に、ピックアップが内臓されたベース。チューナー機能が装備されていますので、容易にチューニングを行うことができます。
  • アコースティック・ベースと同様に、アコースティックならではの温かいサウンドが特徴で、ピックアップ内臓のため手軽にアンプを通して出力することができます。

プレシジョン・ベース

  • エレクトリックベースの一種でアメリカのフェンダー社によって製作され、1951年に発売されて以来も広く普及しているタイプのベース。通称「プレベ」。
  • テレキャスターの外見の形状で、プレベ・タイプのベースは他社からも発売されています。
  • ボリューム×1、トーン×1のシンプルなコントロール仕様で、ジャズ・ベースよりも重量が重くネックが太いのが特徴的です。太くて重たい音から、ハードロックやパンクバンドなどと相性がよく活躍します。

ジャズ・ベース

  • エレクトリックベースの一種でアメリカのフェンダー社によって製作され、1960年に発売されて以来もオールマイティーに活躍しているタイプのベース。通称「ジャズベ」。
  • プレシジョン・ベースの発売後のモデルで、プレベと共にフェンダー社を代表する機種の1つでもあります。
  • ボリューム×2、トーン×1のコントロール仕様でネックが細く重量が軽いのが特徴的で、芯のある力強いサウンドの中にもクリアな側面があるので、 繊細なプレイにも活躍してくれます。

セミアコースティック・ベース

  • セミアコースティックギターのベース版といったところで、オールディーズな雰囲気が特徴的なベースです。
  • 共鳴するようにボディ内部が空洞化になっており、少しふくよかな音色ですが温かくてマイルドな音が特徴的です。
  • 他のエレクトリックベースと同様にアンプを通して演奏することを前提にしているので、生音では大きな音が出ませんが、ギターのセミアコと同様にアンプに通すとハウリングを起こしやすい難点があります。

多弦ベース

  • 一般的なベースの弦は4本ですが、その他にも5弦・6弦・8弦・10弦・12弦などのベースがあり、4弦以上のベースを一般的に多弦ベースと呼びます。
  • 5弦ベースでは、最低音であるE音よりも5フレット分音が低いB音(Low-B)の弦を追加するか、最高音のG音よりも5フレット分音が高いC音(High-C)の弦を追加するかの2通りがあります。
  • 6弦ベースでは、5弦ベースの2通りの弦を用いたものになります。

ショートスケール

  • ショートスケールは通常のエレキベースを小型化したもので、一般的なエレキベースよりもネックが短くなっていることでフレット数も少なくなっています。
  • ネックも細くスリムなボディですので、体の小さい人や手や指が短い人でも無理なく演奏することができます。また、女性にも扱いやすいサイズであることから、女性ベーシストにも人気があります。
  • ショートスケールの代表的なベースには、フェンダー社に代表されるムスタング・ベースや、ギブソン社がオリジナルのSGベースがあります。

エレクトリック・アップライト・ベース

  • 4本または5本の弦を持つコントラバスをスリム化したような弦楽器で、立てかけて演奏するのが特徴的です。
  • エレクトリックベースの要素を備え、弦が鉛直に張られ直立の状態で演奏することから、エレクトリック・アップライト・ベースと呼ばれます。

エレクトリック・フレットレス・ベース

  • 名前の通りフレットがないエレキベースのことを指しますが、指板上にフレットの代わりに目印となるラインが引かれているものも多く見られます。
  • バイオリンと同様にフレットがないため、正確な音程で弾くにはそれ相応の技術を必要とし、マスターするには継続的な訓練が欠かせません。
  • フレットがないので自由自在な音程での演奏が可能で、ポジションチェンジの際には、うねるような独特の滑らかな音になるのが特徴的な面白い一面を備えるベースです。
ベースの構造と名称

~ベースの各部位の名称と役割~

①ペグ

  • 弦の張り具合を調節しチューニングを行うパーツ。
  • ペグに欠陥があるとチューニングの安定度に影響してきます。
②ナット

  • 弦をヘッド側で支え固定するためのパーツで、ナットの材質はボディの材質と同様に、音色やサスティン(音の伸び)を左右する要素があります。
  • ナットの材質には牛骨、カーボン・グラファイト、ブラス(真鍮)などがあり、後者になるほどサスティンが得られる傾向にあります。
③指板

  • フィンガー・ボードとも呼ばれ、ネック表面の材のことでネックの材質と同一のものもあります。主に用いられる材質にメイプル、ローズウッド、エボニーなどがあり、材質の違いによってサウンドや感触が異なります。
  • 一般的な特徴ではメイプルはクリアなサウンドで芯が強く、ローズウッドとエボニーは柔らかめで丸みのあるサウンドが特徴です。
④フレット

  • 音程を定めるために指板に打たれている金属片のことで、1フレットごとに半音ずつ音が変わります。
  • フレットレス・ベースと呼ばれるフレットレス・タイプのものもあり、フレットレスは金属による干渉がないため、丸く温かみのある音という印象があります。
⑤ポジション・マーク

  • フレットの位置を把握し易くするための印で、指板の表面やネックの側面に付けられています。
  • ネックの側面に付けられているものは、サイド・ポジション・マークと呼ばれています。
⑥ピック・ガード

  • ボディの表面に取り付けられている板のことで、ピッキングによるキズを防ぐために備えられています。
⑦ピックアップ

  • 弦の振動をコイルと磁石によって電気信号に変換する装置。
  • マイク的な役割を果たしサウンドキャラクターに影響を与えるパーツですので、様々なメーカーが独自のピックアップを開発しています。
  • ネック側をフロントピックアップ、反対側をリアピックアップといいます。
⑧ボリューム・コントローラー

  • 音量を調節するつまみで、ベースからアンプへと伝わる音量を調節します。
  • ボリュームコントローラーが2つ装備されている場合は、フロントピックアップのフロントボリュームとリアピックアップのリアボリュームです。
  • ベースのコントロール部分には、多くのベースに使用されている「パッシブ・タイプ(電池を必要としない回路)」と「アクティブ・タイプ(電池を必要とする回路)」があります。アクティブ・タイプはパッシブ・タイプに比べて幅広い音色を生成することが可能で、ノイズが起こりにくいという特徴があります。
⑨トーン・コントローラー

  • 音色を調整するつまみで、トーンを制御する部分です。
  • パッシブ・タイプのベースの場合は、トーン・コントローラーがフルの状態でトーンはフラットな状態となり、そこからトーンを絞っていくと徐々に音をこもらせてHighを絞っていくことになります。
  • アクティブ・タイプのベースの場合は、トーン・コントローラーがセンターの状態でフラット(±0)であり、そこを基準にトーンをブースト&カットできるようになっています。アクティブ・タイプの場合は、コントローラーの効果が激しいものもあるので、過度なセッティングは控えるようにします。
⑩アウトプット・ジャック

  • 電気信号をアンプに送るためケーブル(シールド)を挿す部分です。
⑪ブリッジ

  • 弦をボディ表面に固定するパーツ。
  • 弦の高さ(弦高)調整、オクターブ調整などを行うことができます。



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