様々な素材の指揮棒と有効性
指揮棒の素材
指揮棒の素材には、巻き紙、魚の骨、樹皮をはいでいないリンデンの枝、ダイヤモンド付きの指揮棒、カエデに純金と宝石をあしらった指揮棒などがあります。
指揮棒は、オーケストラや合唱団を指揮するために使用される細い棒です。 指揮棒の材質は指揮者の好みによって異なりますが、一般的な材質としては、木材、グラスファイバー、カーボンファイバー、金属、複合材料などがあります。
バトンのハンドルは、通常、快適なグリップとバランスを提供するために、コルク、オーク、クルミ、ローズウッド、アルミニウムなど、シャフトとは異なる素材で作られています。
指揮棒の素材は、重さや弾力性や見た目に影響し、指揮者の個人的趣味や音楽のジャンルや場面によって選ぶことができます。また、指揮の小さな動きを大きな動きに変える道具であるという本質を忘れないことが大切です。
指揮棒の有効性
指揮をする上で、指揮棒は絶対に必要なものではありませんが、あったほうが良い理由を挙げることはできます。
まず、腕の長さに、さらに棒の長さが加わる分、指揮の動作が拡大され、それだけ演奏者にとって見やすくなるということが言えるでしょう。
その理由から、指揮棒で指揮をする際には、指揮棒の先が最も雄弁に語ることが望まれます。持っている手と指揮棒が平行に動いては、少しも「図形の拡大」の意味を成しません。
もう一つの利点は、「手首を使った指揮」をする際に、とても有効に適切に動きを見せることが可能だということです。
一般には固いリズムを表現する際には、棒を持つ方が鋭敏さを増大させられますし、大編成のアンサンブルを振る場合にも指揮棒は便利な道具です。
描く図形をはっきりと見ることができるという利点は、指揮法の練習をする際に役立ちます。トレーニング後にきちんと図形が描けるようになった後で、自分の指揮が我流に陥っていないかのチェックにも力を発揮します。
自分が映る位置に鏡のある練習場で、指揮をする自分の姿を見て、「よくないな」と気付いて修正する機会があることは大切です。
その際にも棒を持っていることは利点になります。実際には指揮棒を持たなくても問題が起こることは殆どありません。
レガートを多用する曲で、棒を持たない方が上手に振れる場合もあります。棒を持たない右手を使って、微妙なニュアンスをより丁寧に伝えることもできます。
大御所の巨匠と呼ばれる指揮者の中には、数十年間指揮棒を用いた後に全く持たなくなった方がいるのも現状にあります。
ニュアンスによって棒の持ち方・握り方を変えたり、譜面台に時々棒を置き、表現によって一曲の中で棒を持った部分と持たない部分を決めている指揮者も中にはいます。