ネウマ譜

グレゴリオ聖歌の記譜にはネウマと呼ばれる記号が使われていました。初期の頃は、言葉の上に旋律型が思い浮かぶように簡易な印を付記するもので、記憶を呼び覚ますのに役立つ程度でした。

音を書き留めようとするこの行為は、広い地域で同じレパートリーを共有するための有効な手段とされていたとも考えられ、ネウマの形態は地域ごとに違いがあります。

書き留められた旋律線そのものは、地域ごとの様々な聖歌が実際に広く共有されていたことを示しています。その後、譜線が使われるようになると正確な音高表記が可能になりますが、音の長さについては不明な点も多く、現在も様々なリズム解釈がなされています。

グレゴリオ聖歌は成立期の8~9世紀以降、徐々にレパートリーを増やしていきましたが、並行するように既存のレパートリーを改訂した新たな種類の音楽も生み出されていました。


<初期のネウマ譜>

<現代のネウマ譜>

トロープス

グレゴリオ聖歌を改訂する方法としてまず考えられたのがトロープスです。トロープスとは、聖歌に新たな旋律、歌詞を付け加える形でグレゴリオ聖歌を装飾するものです。

例えばミサの聖歌の一つであるキリエは、歌詞が非常に短く母音を引き延ばして歌われる部分が多く、そのためメリスマ部分に主を讃える言葉をあてるトロープスの形が頻繁に見られます。

ミサで歌われるアレルヤ唱も、特に曲尾の部分で長い装飾的メリスマを特徴とします。旋律を覚えやすくする為に、ここに歌詞を当てはめる試みもトロープスの一種と考えることができます。

その後この部分は独立し、アレルヤ唱に続いて歌われる続唱と呼ばれる新たなレパートリーを形成します。トロープスでは旋律・歌詞の両方を書き加えた例も多いですが、復活祭のミサの最初に歌われる入祭唱冒頭に付け足された部分では、イエスの墓所を訪れたマリアたちとイエスの復活を告げる天使との間の会話が展開し、実際にそれぞれの役どころを歌い手が簡単な所作を伴って歌ったとされます。

この部分は徐々に拡大し、やがて典礼劇と呼ばれる中世の宗教音楽劇を生み出すきっかけを作りました。トロープスは、続唱と共に本来のグレゴリオ聖歌を変形させたものとの見方から、宗教改革の時期にはカトリックの典礼改革の一環として禁止されますが、続唱中4曲のみその後もミサで歌うことを許されました。

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