ルネサンス後期(1520~1600年頃)
ルネサンス後期の音楽は、15世紀から16世紀にかけて、ヨーロッパで発展した音楽のことです。この時期は、印刷技術の革新や器楽の発展により、音楽の表現が多様化しました。特に、イタリアではローマ楽派やヴェネツィア楽派と呼ばれる音楽家たちが活躍し、宗教曲や世俗曲を作りました。
後期ルネサンス音楽の特徴
後期ルネサンス音楽は、中期ルネサンスに続き、バロック時代に先立つ音楽史の時代です。 後期ルネサンス音楽の主な特徴を挙げていきます。
ポリフォニーによる声楽が中心で、4声部から8声部の無伴奏合唱が多く見られ、マニエリスムと呼ばれる芸術様式の影響を受けて、複雑で不規則な旋律や和声が用いられました。
マドリガーレと呼ばれる世俗曲が盛んに作られ、歌詞に合わせて音楽的な効果を表現することがあります。モノディー様式と呼ばれる弾き語りの音楽スタイルが発展し、広い音楽表現が可能となりました。
ポリフォニーと対位法は広く使用されており、4つ以上の独立した旋律パートが同時に演奏されます。声間の模倣は一般的であり、ある声が別の声のメロディーを繰り返すかエコーすることを意味します。
低音域が導入され、ピッチ範囲が4オクターブ以上に拡大され、スカラリックなメロディーが普及していました。これは、メロディーが大きな飛躍ではなく、主に段階的に動くことを意味します。
不協和音よりも三和音やその他の子音和音が好まれ、マイルドでリラックスしたサウンドが生み出されました。
ヴェネツィアで発展した多合唱スタイルは、様々な空間的位置に複数の歌手と楽器の合唱団が参加し、壮大で朗々とした効果を生み出します。これはバロック音楽への移行の基礎となりました。
後期ルネサンス音楽で最も影響力のある作曲家には、ジョヴァンニ ピエルルイジ ダ パレストリーナ、オルランド ディ ラッソ、ウィリアム バード、トマス ルイス デ ヴィクトリアなどが挙げられ、ルネサンス後期の音楽の代表的な作曲家は、以下のような人物がいます。
ローマ楽派
パレストリーナ、ビクトリア
ヴェネツィア楽派
ガブリエリ、モンテヴェルディ
フランドル楽派
ジョスカン・デ・プレ、オッケゲム
イギリス
タリス、バード
ドイツ
シュッツ