ロマン派音楽の特徴
ロマン派音楽は、表現力の高いメロディー、大規模なオーケストラ、対比的な音量(弱音と強音)などが特徴です。古典派音楽に比べて、感情の表現が豊かになりました。使用する楽器も多様化し、金管楽器や木管楽器のセクションが拡大しました。
ロマン派音楽は、自然への関心と降伏、神秘的で超自然的なものへの傾倒、夜や幽霊、恐怖や恐ろしいものへの注目、国家や民族のアイデンティティへの配慮などがテーマになっています。
ロマン派音楽には、新しい音楽形式も登場しました。例えば、歌曲(リート)、夜想曲(ノクターン)、間奏曲(インテルメッツォ)、奇想曲(カプリッチョ)、前奏曲(プレリュード)、マズルカなどです。
ロマン派音楽の特徴は、以下のように分類して説明できます。
芸術作品としての音楽
ロマン主義の影響で、人間の感情や個性を重視する音楽に変わりました。音楽の形式や和音、リズムなどが古典派に比べて複雑で微妙になり、音楽は詩や物語などの文学作品と結びつき、プログラム音楽や交響詩などが生まれました。
ピアノの普及とショパン
ピアノが一般家庭にも普及し、音楽は身近なものになりました。ショパンはピアノのための作品を多く残し、独自の技法や表現力でロマン派音楽の代表者となりました。ショパンの作品は、ポーランドの民族音楽や愛国心などを反映しています。
個性豊かな作曲家たち
ロマン派音楽では、作曲家の個性や国籍が音楽に反映されました。例えば、シューベルトは美しい旋律で歌曲を発展させ、リストは超絶技巧でピアノ演奏を革新し、交響詩という新しい形式を創造しました。ワーグナーはオペラを大規模で壮大なものにし、レイトモティーフという技法を用いました。
オペラブームの再燃
ロマン派音楽では、オペラが再び人気を集めました。イタリアでは、ヴェルディやプッチーニが感動的なメロディやドラマチックな演出で人気を博しました。フランスでは、ビゼーやサン=サーンスが民族色豊かなオペラを作りました。ドイツでは、前述のワーグナーがオペラを最高峰の芸術と考えました。
表現的なメロディー
感情の表現力を高めるために、クラシック音楽よりも複雑で多彩なメロディーを用いました。
大規模なオーケストラ
金管楽器や木管楽器の部分を増やしたり、新しい楽器を加えたりして、音色や音量の変化に富んだオーケストラを構成しました。
自然や超自然への傾倒
自然の美しさや恐ろしさ、神秘的な現象や幽霊などを音楽で表現しました。
民族性の強調
自国や他国の民族音楽の要素を取り入れて、独自の音楽スタイルを作りました。
新しい楽曲形式の創造
歌曲、夜想曲、間奏曲、カプリッチョ、前奏曲、マズルカなど、新しい種類の楽曲形式を開発しました。