近代音楽の作曲家

近代音楽は、西洋のクラシック音楽において、おおよそ20世紀初頭(あるいは19世紀末)頃から第二次世界大戦の終わり頃までの音楽を指しています。

20世紀初頭の音楽は、前世紀の音楽と比較すると、非常に多様化した時期でした。それまでの作曲家は、たとえ出身国が違っていても、よく似た音楽の様式に基づいて作曲をしていました。

例えば、ウィーン古典派の時代(1740年-1820年頃)の作曲家は、例えばソナタ形式などの楽曲形式に何を用いるか、オーケストラには何の楽器を採用するか、良い響きの音とはどのようなものかといった問題について、概ね似たことを考えていました。

これに対して20世紀のクラシックは多様であり、これまでに試されてきたものとは異なる形式、音の響き、音楽美を追求した作曲法について、異なる考え方を持った作曲家がたくさんいたことから、多くの「楽派」が生まれました。

20世紀のクラシック音楽の「楽派」の名称には、単語末に「主義」をつけるものが多いです。また、ジャズ、ワールドミュージック(非西洋古典音楽)、フォークソング(俗謡)の影響を受けたものもあります。

さらに20世紀後半には「電子音楽」が生まれ、その後「ミニマル・ミュージック」「ポストモダン音楽」といった音楽も生まれました。

以下の表は、近代音楽の代表的な作曲家とその生没年、主な作品をまとめたものです。

作曲家 生没年 主な作品
ジョージ・ガーシュウィン 1898-1937 「スワニー」、「アイ・ガット・リズム」、「ラプソディ・イン・ブルー」、「ポーギーとベス」
エドワード・エルガー 1857-1934 『エニグマ変奏曲』、『威風堂々』、『ヴァイオリン協奏曲』、『チェロ協奏曲』、『カリッシマ』、『メイ・ソング』
エリック・サティ 1866-1925 「ジムノペディ」、「ノスタルジア」、「エニグマ変奏曲」、「パレード」
リヒャルト・シュトラウス 1864-1949 オペラ「サロメ」「エレクトラ」「ばらの騎士」、リート(特に「4つの最後の歌」)、交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」「ドン・ファン」「死と変容」「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」「アルプス交響曲」、その他「メタモルフォーゼン―23の独奏弦楽器のための習作」など
アレクサンダー・スクリャービン 1872-1915 『ピアノ協奏曲 嬰ヘ短調』(作品20)、『交響曲第1番 ホ長調』(作品26)、『交響曲第2番 ハ短調』(作品29)、『交響曲第3番「神聖な詩」ハ短調』(作品43)、『交響曲第4番「法悦の詩」ハ長調』(作品54)、『交響曲第5番「焔の詩 – プロメテ」作品60』
ベラ・バルトーク 1881-1945 「オーケストラのための協奏曲」「弦楽、打楽器、チェレスタのための音楽」「ミクロコスモス」「ルーマニアの民族舞踊」「青ひげの城」「奇跡のマンダリン」「弦楽四重奏曲」「ピアノ協奏曲」「ヴァイオリン協奏曲」
セルゲイ・ラフマニノフ 1873-1943 4つのピアノ協奏曲、3つの交響曲、2つのピアノソナタ、3つのオペラ、合唱交響曲、ヴェスパーズ、パガニーニの主題による狂詩曲、交響的舞曲など
グスタフ・ホルスト 1874-1934 組曲『惑星』、サマセット狂詩曲、セントポール組曲
モーリス・ラヴェル 1875-1937 「ダフニスとクロエ」、「子供と魔法」、「亡き王女のためのパヴァーヌ」、「水の戯れ」、「鏡」、「夜のガスパール」、「ボレロ」

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