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ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 Op.73 「皇帝」 第2楽章【ベートーヴェン】~音楽作品 名曲と代表曲

 

 

 

ピアノ協奏曲史上において郡を抜いた存在として燦然と輝く名作

 

ピアノ協奏曲第5番「皇帝」Op.73は、1809年に完成された全3楽章から成るピアノ協奏曲で、『皇帝』の別名で知られており、1811年に出版され「協奏曲第4番」と同じくルドルフ大公に献呈されました。

 

急・緩・急の3楽章構成で第2楽章と第3楽章は続けて演奏され、ベートーヴェンのピアノ協奏曲では演奏時間・編成ともに最大の規模を誇ります。

 

1808年に作曲に着手し翌年1809年に完成したとされる作品で、ナポレオン軍がウィーンの街に侵入して来たのが1809年5月であることから、砲弾の中で書かれた作品でもあります。

 

ベートーヴェンは「私が対位法と同じくらいに戦術のことを知っていたら、彼らに勝手な振舞いはさせないのだが」と怒ったと伝えられており、この曲をベートーヴェンの怒りから生まれた作品と解釈する人もいます。

 

初演は1811年11月28日、ライプツィヒのゲヴァントハウスにて、ピアノ独奏ヨハン・フリードリヒ・シュナイダー(後の聖トーマス教会のオルガニスト)、指揮シュルツ、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団によって行われました。

 

この初演は大成功に終わり、当時の新聞では「この曲はすべての協奏曲の中で最も独創的で、想像力が豊かで効果的で、その上難しい曲である」と評されました。

 

しかし翌1812年2月に行われたウィーン初演では、ベートーヴェンの弟子で教則本で名高いチェルニー(1791-1857)が独奏しましたが、こちらは不評に終わり、以後ベートーヴェンの生前に全曲が演奏されることはありませんでした。

 

第2楽章は自由な変奏曲形式で書かれており、激しい第1楽章と第3楽章に挟まれた間奏曲のような役割も果たす緩徐楽章で、宗教的な神々しさと幻想的な詩情を秘めています。

 

転調や楽器の変化で発展させてから変ホ長調となり、第3楽章のロンド主題を予告したあと、突然激しいリズムになって終楽章へ入っていきます。

 

変ホ長調という調性はベートーヴェンの音楽では特定の意味合いがあり、「皇帝」の他にも交響曲第3番「英雄」のような勇壮な音楽に用いられています。

 

ベートーヴェンを意識して書かれたシューマンの交響曲第3番なども、変ホ長調の主調が用いられ雄大なライン川が描かれています。

 

 

 
  




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