ショパン:スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
ショパンの様々な一面が凝縮されたスケルツォの有名曲
スケルツォ第2番Op.31は、1837年に作曲され同じ年に出版されました。アデーレ・フュールステンシュタイン伯爵夫人に献呈されています。
ショパンのスケルツォは4曲が残されていて、スケルツォという言葉には元々諧謔や冗談の意味がありますが、ショパンは真面目な性格のゆえ、彼のスケルツォにはそうした意味合いが感じられることはほぼありません。
第2番変ロ短調は、4曲の中では最も本来のスケルツォらしい特徴を表している曲で、ショパンのスケルツォ作品としては最も有名で、優雅さやロマン的な転調などで人気を集めています。
スケルツォ第2番Op.31が完成した1837年は、他にも即興曲Op.29やソナタOp.35の葬送行進曲の部分が作曲された年で、また第二の恋人であるマリア・ヴォンジンスカとの悲恋の年でもあります。
さらにはショパンが肺結核を発症した時期で、また新たにジョルジュ・サンドと出会うなど、1837年はショパンにとって人生の転機の年で、様々な出来事が重なった中でスケルツォ第2番は生まれています。