「なつかしい土地の思い出」Op.42-3 《メロディ 》【チャイコフスキー】~音楽作品 名曲と代表曲
チャイコフスキーにとって唯一のピアノとヴァイオリンのための作品
『なつかしい土地の思い出』Op.42は、1878年3月から5月にかけて作曲されたヴァイオリンとピアノのための小品集です。
1896年グラズノフの編曲によって、ユルゲンソン社から管弦楽伴奏版が出版されています。
1880年に「瞑想曲」が単独で出版されると独立した楽曲として有名になり、「スケルツォ」と「メロディ」も1884年に単独で出版されています。
チャイコフスキーにとって唯一のピアノとヴァイオリンのための作品で、第1曲の瞑想曲、第2曲のスケルツォ、第3曲のメロディ(無言歌)の3つの作品から成り立っています。
第1曲の「瞑想曲」は、《ヴァイオリン協奏曲》の破棄された緩徐楽章が改作されたもので、3曲中では時間が最も長く重厚な趣きが特徴です。
その後「スケルツォ」と「メロディ」が作曲され、「なつかしい土地の思い出」として作り上げられました。第3曲の「メロディ」は特に有名で、演奏会のアンコールでもよく取り上げられる作品です。
“なつかしい土地”とは、チャイコフスキーが療養に訪れたスイスのレマン湖畔のクラランのことです。