組曲《くるみ割り人形》Op.71aより 第7曲“あし笛の踊り”【チャイコフスキー】~音楽作品 名曲と代表曲
組曲の中でも特に印象的な作品のひとつ
バレエのストーリーでは、様々な踊りが披露されます。クリスマスの夜、くるみ割り人形は王子に姿を変え、少女クララをお菓子の国に招待しました。
お城ではお菓子の精たちがクララを歓迎するため、「中国の踊り」「アラビアの踊り」「ロシアの踊り」など、国際色豊かで華やかな踊りを次々と披露していきました。
『葦笛(あしぶえ)の踊り』は、2本のフルートによる旋律が愛らしい印象的な作品で、「葦」と「フランス」の関係があることから、『フランスの踊り』『女羊飼いの踊り』とも呼ばれています。
『葦(あし)』とは、温帯から熱帯にかけての湿地帯に分布する背の高いイネ科の草の一種で、葦は南フランス(南仏)に広く分布しています。
葦(あし)
茎の中は竹のように中空で、笛として加工するのに相性が良いです。フランスでは葦で作った笛(葦笛)を「ミルリトン(Le mirliton)」と呼んでいて、また関西では「アシ」が「悪し」に通じるのを忌んで「ヨシ」とも呼ばれています。
葦笛(あしぶえ)