前奏曲集 第2巻 第12曲 「花火」【ドビュッシー】~音楽作品 名曲と代表曲
前奏曲集第2巻の最後を飾る色彩感に溢れた作品
第1巻と第2巻それぞれ12曲からなる全24曲の前奏曲集は、ドビュッシーのピアノ音楽の傑作であると同時に、近代ピアノ音楽の中でも特に優れた作品として評価されています。
第1巻では「亜麻色の髪の乙女」や「沈める寺」などが特に有名で、また第2巻では「水の精」や「花火」といった曲が取り上げられ、単独でも演奏されています。
「花火」は前奏曲集第2巻の最後を締め括る難曲で、上行する三音と下行する三音の連続した伴奏に乗って時々花火が上がります。
スケール、アルペッジョ、爆発するリズムと様々な変化を見せて、最後にフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」からの引用を風に乗って流れてくるように扱うあたり、フランス人としての誇りを見せたドビュッシーの面目躍如たる作品と言えるでしょう。
最期を飾るに相応しい色彩感に溢れた作品で、花火が鮮やかにパリの夜空を彩る光景が目に浮かぶようです。