「パガニーニの主題による変奏曲」 Op.35 第1巻
情緒の深みと至難な超絶技巧が要求される難曲
『パガニーニの主題による変奏曲』Op.35は、1862年から1863年にかけて作曲されたピアノ曲で、パガニーニの有名な《カプリッチョ第24番イ短調》を主題にした28からなる変奏曲です。
親交を結んだフランツ・リスト門下のカール・タウジヒの提案で作曲され、元々芸術的練習曲として構想されたこともあり、情緒の深みと至難な超絶技巧の要求で名高い作品です。
初演は1865年11月、チューリヒにおいてブラームス自身によって行われ、弟子のエリーザベト・フォン・シュトックハウゼン(ピアニスト)に献呈されました。
初版の表紙には「変奏曲」の横に小さく「練習曲」と書かれていて、当初は「ピアノのための練習曲」として出版されました。
第1部(Op.35-1)の第1変奏~第14変奏と、第2部(Op.35-2)の第1変奏~第14変奏の2巻に分けられており、それぞれパガニーニの主題の後に変奏が続いています。