ヴァイオリンソナタ イ長調 第4楽章
ヴァイオリニスト必須の名作で聴くほどに味わい深い逸品
「ヴァイオリンソナタ イ長調」は四つの楽章で構成されていますが、これらはいずれも特定の主題または動機で結び付けられていて、いわゆるフランク独特の「循環形式」で作曲されています。
フランクの代表作の一つである「交響曲ニ短調」を始めとして、この形式を好んで用いており、「循環形式」とは単に同一の音型を各楽章に用いるといった単純なものではなく、もっと複雑で構造的なものです。
この「ヴァイオリンソナタ イ長調」では、第1楽章の第1主題が上昇下降をしていきますが、この音楽が全体を循環する基本的な役割を果たしています。
この名作は様々な演奏家たちからのニーズによって編曲されてきており、アルフレッド・コルトーは全曲をピアノ独奏用、ピアノ4手連弾版に編曲しています。
その他にもフルート編曲版が「フルート・ソナタ」として、チェロ編曲版は「チェロ・ソナタ」として頻繁に演奏されていて、ピアノ・パートがオーケストラに編曲されたコンチェルト版では、フランクの世界が更に壮大に展開されています。
名立たるあらゆる演奏家たちがレコーディングを残しており、フランクのヴァイオリンソナタの傑作は、種々の編曲版によって愛奏されてきました。