ロマンス 変ニ長調 Op.24-9
交響曲大家シベリウスならではのスケール感のあるピアノ曲
シベリウスはヘルシンキ大学で初め法律を学びましたが、少年時代からの夢が捨て切れず、音楽に転向しました。
ヴァイオリンなどを学びましたが、やがて作曲家への道を歩み、ベルリンやウィーンにも留学しました。帰国後はドイツ的音楽語法を基に、祖国の民族譚などに素材を求めた作品を書き高く評価されました。
1929年以後は創作が途絶え、謎の空白期間をおいたまま病死。作品にはオペラ、劇音楽、交響曲、交響詩、室内楽曲、歌曲など多数の作品があり、ピアノ曲の作曲は青年期に始まり、64歳頃まで書き続けられました。
『ロマンス』は初期の「ピアノのための10の作品集 Op.24」の第9曲で、ウィーンからの帰国後に結婚した妻アイノへの想いが込められていると言われています。
ピアノ曲ですが重厚感がありスケール感のある作品で、交響曲大家シベリウスならではの、オーケストラ曲のスケッチともとれるような趣きが感じられます。