シンバルの種類・名称・ハンマリングとシンバルのメンテナンス~初心者向け入門編【ドラム基礎・基本】
ドラムセットの中で最もピッチが高い音を担当するのがシンバルです。
見た目は同じように見えるシンバルですが、それぞれのシンバルには役割があります。
シンバル各部の名称
シンバルの各部にも名称があり、淵の部分をエッジ、中心部の盛り上がった部分をカップ、カップとエッジの間をボウと呼びます。カップの部分は甲高い音が鳴りますのでライドシンバルで活用することがあります。
シンバルの種類
クラッシュシンバル |
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ハイハットシンバル |
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ライドシンバル |
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チャイナシンバル |
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スプラッシュシンバル |
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シンバル【サイズ・ウエイト】
同じライドやハットでも、様々な厚みによるバリエーションがあり、サイズや厚みはサウンドやキャラクターに大きく影響がありますので、自身の演奏スタイルに合ったものを選択するようにしましょう。
ウェイトはTHIN(薄い)、MEDIUM(中間)、HEAVY(厚い)などで表され、サイズはインチ(1”=2.54cm)で表記されます。
サイズが大きくなるにつれピッチが低くなり、音量が豊かになります。反対にサイズが小さくなればなるほどピッチが高くなりフォーカスが鮮明になります。
基本的にはロック系のパワフルなサウンドには厚めのシンバル、ジャズ系でダークなサウンドには薄めのシンバルが適しています。
またウェイトは重く(厚く)なるにつれサスティンが豊かになり、パワフルなサウンドになります。反対に薄くなればなるほどサスティンは短くなり、鋭さを増した切れのあるサウンドになります。
シンバルのフィニッシュとハンマリング
シンバルの表面仕上げはフィニッシュと呼ばれ、光沢のある仕上げの「ブリリアントフィニッシュ」と、通常の仕上げの「トラディショナルフィニッシュ(レギュラーフィニッシュ)」とがあります。
見た目の違い以外は殆ど変わりはありませんが、強いて挙げるとすれば、レギュラーフィニッシュに比べてブリリアントフィニッシュの方が、少しハイエンドの音が伸びやかで、上品なサウンドになる傾向があります。
フィニッシュ(表面仕上げ)の違い
表面仕上げ以外の違いでは、製造方法の違いがあり、キャストシンバルとシートシンバルに分類されます。
キャストシンバルは溶かした合金を1枚ずつ型に入れられて製造されるシンバルで、年月と共に豊かな音色へと熟成していきます。
シートシンバルはシート状に圧延加工されたものをくり抜いて製造されるシンバルで、キャストシンバルに比べてピッチが高くタイトなサウンドが特徴的です。
また、シンバルの表面が凹凸になっているモデルがありますが、これはハンマリング(ハンマード)と言い、均一にハンマリングされているモデルや、ランダムにハンマリングされているモデルがあります。
ハンマリングはサウンドの特性を左右する影響力を持っているため、均一なハンマリングモデルでは機械が均等に加工していたり、ランダムなハンマリングモデルでは、メーカーの限られた職人さんのみが加工していたりすることがあります。
ランダムにハンマリングされたモデルは、ダークで倍音が多彩になる音質が特徴的で、均一にハンマリングされたモデルは、音質が鮮明で均一な倍音が特徴的です。
ハンマリングによる違い
シンバルのメンテナンス
シンバルは金属で形成されているため、空気に触れたり指紋が付着することで酸化し、錆びたり色がくすんだりしてしまいます。
基本的には乾拭きがベストですが、どうしても磨き上げたい場合は各メーカーからクリーナーが販売されていますので、そちらで対応するようにしましょう。
気を付けなければいけないことは、クリーナーによっては研磨剤が混入している商品もありますので、クリーナーの研磨剤でシンバルの表面を削ってしまうと、音に大きく影響してしまいますので気を付けるようにしましょう。
頻繁に使用することでキャラクターが変わってしまうこともありますが、演奏者によってはこの酸化をサウンドの味わいとして好むことも少なくなく、新しいシンバルでは醸し出せないサウンドキャラクターを生み出す要素になっています。