音楽用語 【テ】
音楽用語 |
---|
ディヴィジ |
外国語表記 |
〔伊:divisi〕 |
解説 |
オーケストラスコアなどで1つのパートを2つ以上のグループに分けて、別々の声部を担当させるための指定。重音でないことを示します。div.と略記、1つの声部に戻るときはunis.(ユニゾンの略記)と記します。 |
音楽用語 |
ディヴェルティメント |
外国語表記 |
〔伊:divertimento〕 |
解説 |
嬉遊曲。4から10の短めの楽章からなる比較的自由な形式の器楽組曲。管弦楽より小さなアンサンブルのために書かれています。18世紀後半にハイドン、モーツァルトによって多くの作品が書かれましたが、その後は作品例が少なくなりました。しかし20世紀に新古典派のストラヴィンスキー、バルトークらによって再び書かれるようになりました。 |
音楽用語 |
ディエス・イレ |
外国語表記 |
〔羅:Dies irae〕 |
解説 |
「怒りの日」の意味。チェラノのトマ作と伝えられるセクエンツィア(続唱→レクイエム)で、レクイエムの中で現在も歌われます。グレゴリオ聖歌中の旋律は死のモティーフとしてよく使われます。 |
音楽用語 |
ディキシーランド・ジャズ |
外国語表記 |
〔英:Dixieland jazz〕 |
解説 |
1910年代にアメリカのニューオリンズで生まれたジャズの初期のスタイルで、主に白人ミュージシャンによるもの。基本的にツー・ビートで、ディキシーは南部諸州を指す俗称。なお、黒人によるニューオリンズ・スタイルも盛んですが、レコーディングのためミュージシャンがシカゴに移動し、1920年代はシカゴがジャズの中心でした。特にトランペット奏者のサッチモ(本名:ルイ・アームストロング)は器楽的スキャットでも一世を風靡しました。『聖者の行進』が有名。 |
音楽用語 |
提示部(呈示部) |
外国語表記 |
〔英・仏:exposition〕 |
解説 |
楽曲で主題などを提示する部分。ソナタ形式やフーガなどで使われる用語。 |
音楽用語 |
ディスコ |
外国語表記 |
〔disco〕 |
解説 |
ディスコテーク disco-theque(仏)の略。バンドではなくレコードの音楽に合わせて踊るダンス場。 |
音楽用語 |
ディスコ・ビート |
外国語表記 |
〔disco beat〕 |
解説 |
ディスコ曲に多いビート。エイト・ビートで4分の4拍子の各拍を強調したもの。 |
音楽用語 |
ティンパニ |
外国語表記 |
〔伊:timpani〕 〔英:Kettledrums〕 〔独:Pauken〕 〔仏:timbales〕 |
解説 |
太鼓属の中で正しく音律を作ることができる唯一の楽器。古典の音楽では2個1組で、主音、属音に調律されます。近代、現代の音楽では3個以上でも使われ、音律も曲の中で自由に変えられます。かつては枠の回りに付けられたネジで音律を変えましたが、現在はペダルで変えることができグリッサンドも可能です。この楽器をペダル・ティンパニと呼びます。 |
音楽用語 |
ティンバレス |
外国語表記 |
〔西:timbales〕 |
解説 |
ラテン打楽器の一つで、アフリカからラテン・アメリカに渡りキューバの民族楽器となり発達したもの。浅い胴の片面に皮を張った太鼓で、音程の異なる2個1組をスタンドに取り付けて用います。チャ・チャ・チャには欠かせない楽器の一つ。 |
音楽用語 |
ティン・パン・アレイ |
外国語表記 |
〔英:Tin Pan Alley〕 |
解説 |
アメリカ合衆国ニューヨーク州のマンハッタン28丁目に位置する、楽譜出版社などの音楽関連会社が軒を連ねていた通りの俗称。かつてのアメリカにおけるポピュラー音楽の楽譜のほとんどがここから出版されていました。 |
音楽用語(関連) |
適応 |
外国語表記 |
〔英:adjustment〕 |
解説 |
環境に適合し生活すること。環境とは物理的、生理的、自然的環境だけではなく、家族、学校などといった社会的、文化的な環境も含めます。適応過程において行動調整、学習、欲求解消、緊張解消などの過程が見られます。 |
音楽用語(関連) |
適応機制/防衛機制 |
外国語表記 |
〔英:adjustment mechanism/defence mechanism〕 |
解説 |
葛藤やフラストレーション状態に陥った時にとられる適応反応で、フロイトが定義付けました。①投射②取り入れ③同一視(同一化)④抑圧⑤合理化⑥置き換え⑦補償⑧代償⑨昇華⑩退行⑪反動形式⑫逃避⑬白日夢など。 |
音楽用語 |
デッド・スポット |
外国語表記 |
〔米:dead spot〕 |
解説 |
メロディの中で動きの少ない静かな部分。例えば音が長く延ばされている部分などを指し、この部分にフィル・インが置かれることが多いです。 |
音楽用語 |
テ・デウム |
外国語表記 |
〔羅:Te Deum (laudamus)〕 〔独:am-brosianischer Lobgesang〕 |
解説 |
「(我らは)汝を神として(讃美し奉る)」という讃歌。6世紀頃より聖務日課で日曜や祝日の朝課の最後に歌われたばかりでなく、列聖式や戦勝の公の感謝の歌としても使われてきました。ヘンデル、ベルリオーズ、ブルックナー、ヴェルディ等の作品がよく知られています。 |
音楽用語 |
テトラコード |
外国語表記 |
〔英:tetrachord〕 |
解説 |
テトラコルドともいいます。4つの弦という意味で、両端の音の隔たりが完全4度を成す4音音階。長調の音階は、ドレミファとソラシドの2つのテトラコードからなります。なお、民俗音楽の音階などもテトラコードを基本単位として考えられることが多いです。 |
音楽用語 |
テヌート |
外国語表記 |
〔伊:tenuto〕 |
解説 |
音価を充分に保って演奏すること。音符の上や下に横棒で記され、声部を表すテノールとは同根語。ラテン語のTeneoに由来、略語はten.。 |
音楽用語 |
テーマ・ソング |
外国語表記 |
〔米:theme song〕 |
解説 |
主題歌。ドラマ、演劇、映画などのイメージを音で表現したもの。個人や団体を代表するためのテーマ・ソングもあります。 |
音楽用語 |
デュエット |
外国語表記 |
〔英:duet〕 |
解説 |
2重奏、2重唱。デュオ。 |
音楽用語 |
デュオ |
外国語表記 |
〔英・伊・仏:duo〕 |
解説 |
→デュエット |
音楽用語 |
デュナーミク |
外国語表記 |
〔独:Dynamik〕 |
解説 |
強弱法。ダイナミクス(英:dynamics)ともいい、強弱の変化により音楽に表情を付ける方法。強弱はff、ppといった記号やcresc.、dim.などの略号が使われ、譜面に記されていなくても微妙な強弱を付ける場合があります。アゴーギクと共に音楽の重要な役割を果たします。 |
音楽用語 |
テューバ |
外国語表記 |
〔英・仏・伊:tuba〕 〔独:Tuba〕 |
解説 |
最低音域の金管楽器。ピストン・バルブが考案された1839年の後、低音部を受け持つ金管楽器の総称となりましたが、国により形状、構造、名称に相違が見られます。変ロ調、ハ調、変ホ調の楽器がありますが、実音で記譜されることが多いです。ワーグナーが自分の楽劇のために作ったテューバはワーグナー・テューバと呼ばれ、これはホルンの音域を下に広げる目的で作られた別の楽器です。 |
音楽用語 |
テューブラー・ベル |
外国語表記 |
〔英:tubular bells〕 |
解説 |
チャイム。長さの異なる金属製のパイプを枠に吊り下げ、半音階に調律してあるものでハンマーで打ち奏します。一般的には18本のものと22本のものが多いです。 |
音楽用語 |
テルミン |
外国語表記 |
〔英:Theremin〕 |
解説 |
ロシアのL.テルミンが1920年に発明した電子楽器。通常は本体から2本のアンテナが伸びており、このアンテナに手を近づけたり遠ざけたりすることによって、音量や音高を変化させることができます。 |
音楽用語 |
転回 |
外国語表記 |
〔英:inversion〕 |
解説 |
音の上下の関係を置き換えることで、次の3つがあります。①音程の転回・・・音程を構成する2音のうち、高い方を1オクターヴ下に、または低い方を1オクターヴ上に移行すること。もとの音程を「原音程」、新しい音程を「転回音程」といいます。これにより、長音程⇔短音程、増音程⇔減音程、完全音程⇔完全音程(完全音程は変化しない)のように入れ替わり、度数も1⇔8、2⇔7、3⇔6、4⇔5のように入れ替わります。 ②和音の転回・・・根音以外の音をバス(最低音)にする配置のこと。「転回位置」とも呼ばれます。 ③旋律の転回・・・メロディの音の動きを鏡に映したように反対に置き換えること。上行を下行に、下行を上行にするなどの操作をいいます。 |
音楽用語 |
転回位置 |
外国語表記 |
〔英:inversed position〕 |
解説 |
根音以外の音をバス(最低音)にする配置のこと。転回形、転回和音(英:inverted chord)とも呼ばれます。三和音では第1転回位置、第2転回位置の2種類、七の和音では三和音の2種類に加えて第3転回位置が使用されます。第1転回位置は第3音、第2転回位置は第5音、第3転回位置は第7音がそれぞれバスの音になります。 |
音楽用語 |
電気楽器 |
外国語表記 |
〔英:electric musical instruments〕 |
解説 |
発音体から得られた振動を電気的に増幅し、音にする楽器の総称。(例:エレキギター) |
音楽用語 |
電子オルガン |
外国語表記 |
〔英:electronic organ〕 |
解説 |
電子回路による発振をアンプで増幅し、スピーカーから音を出すオルガン。歴史的にはハモンド・オルガンが有名ですが、原理的には現在の電子オルガンとは異なった発音構造を持っています。戦後トランジスタの出現や電子工学の急速な進歩によって生まれたのが、ドリマトーン、エレクトーンなどであり広く普及しました。 |
音楽用語 |
電子音楽 |
外国語表記 |
〔英:electronic music〕 〔独:electronische Musik〕 〔仏:musique electronique〕 〔伊:musica elettronica〕 |
解説 |
電子音響機器によ る電子音を素材にして作られた音楽。1950年にドイツ、ケルンの放送スタジオで始められ、シュトゥックハウゼンらの作曲家が参加しました。電子音楽より少し先行して始められた、自然に存在する具体音を素材とするミュージック・コンクレート(具体音楽)の技法とも影響し合いました。作られた音は通常テープに録音することで完成されます。電子音楽は現在、非常に広義に捉えられ通常の演奏と同時に行うことや、電子機器を用いた演奏、シンセサイザーまで含んで呼ぶこともあります。 |
音楽用語 |
電子楽器 |
外国語表記 |
〔英:electronic musical instruments〕 |
解説 |
発音源を電気により作り出して音にする楽器の総称。様々な振動数の音を組み合わせ一つの音を作ることが容易なので、多くの音色を生み出すことができます。(例:オンド・マルトノ、電子オルガン) |
音楽用語 |
テンション |
外国語表記 |
〔英:tension〕 |
解説 |
①音楽の中の緊張部分。 ②非和声音が含まれる時の不協和状態。テンション(緊張状能、不協和状態)を作る音をテンション・ノート(非和声音)といいます。 |
音楽用語 |
テンション・ノート |
外国語表記 |
〔英:tension note〕 |
解説 |
→テンション |
音楽用語 |
伝説曲 |
外国語表記 |
〔英:legend〕 〔独:Legende〕 〔仏:legende〕 〔伊:legenda〕 |
解説 |
伝説、特にキリスト教の聖人伝説に基づく作品。リストの『伝説 Legendes』》(1861-1863 )中の『小鳥に語る聖フランシス』『波を渡るパオラの聖フランシス』はその典型例です。 |
音楽用語 |
転調 |
外国語表記 |
〔英:modulation〕 |
解説 |
楽曲の途中で調性が変わることで、次の2つがあります。①一時的転調・・・フレーズの途中などで一時的に別の調に入り込むこと。この転調は通常、近親調に限られ直ぐに元の調に戻るので主調の調的統一感に影響はありません。 ②本格的転調・・・曲の途中で調を転じて、そのまま転じた調を確保するもの。調号を変えることも多いです。 |
音楽用語 |
テンプル・ブロック |
外国語表記 |
〔英:temple block〕 |
解説 |
木魚のこと。各種の大きさのものを組み合わせて使うことが多いです。 |
音楽用語 |
テンポ |
外国語表記 |
〔伊:tempo〕 |
解説 |
曲の速さ。速さの指定は、速度記号やメトロノーム数などによって行います。 |
音楽用語 |
電鳴楽器 |
外国語表記 |
〔英:electrophone〕 |
解説 |
電気を利用することによって音が鳴る楽器の総称。 |