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管楽器はどのようにして音を変えるの?~管楽器の性格と特徴

 

管楽器は楽器の違いによって様々な方法で音の高さを変えています。

 

その方法には大まかに分けて次のようなものがあります。

 

 

 

息の強さなどで自然倍音を変える

 

管楽器は同じ管の長さでも、強い息を吹き込んだり唇やリードの緊張感を変えることで、本来の音よりも高い音を出すことができます。これは「自然倍音」といい、古くから金管楽器で用いられてきた方法です。

 

現代でも軍隊ラッパやアルプホルンなどは、この自然倍音で音の高さを変え、自然倍音だけを用いてメロディを奏でています。但し、自然倍音だけでは限られた音のみで、音階を自由に演奏することができないので、現代の金管楽器はこの自然倍音と管の長さを変える方法を組み合わせてメロディを奏でています。

 

木管楽器のリコーダーを強く吹いた際、オクターブ高く出る音も、この自然倍音を利用した第ニ倍音となります。フルートや金管楽器は、自分の唇の調節で倍音を自在にコントロールすることができますが、リードを振動させているリード楽器は倍音のコントロールが難しいため、第ニ倍音以上をサポートする「オクターブキー」を備えているものがあります。

 

管楽器の中でクラリネットだけは例外で、クラリネットは管の構造の特性から、他の楽器とは異なり奇数の倍音しか出ないのです。強く吹いた際、通常の木管楽器では1オクターヴ上昇し第ニ倍音が出るのに対して、クラリネットは1オクターブ半上昇し第三倍音が出るのです。

 

これはクラリネットが「閉管」という管の片側を閉じたのと同じ状態になるのが要因で、閉管構造の楽器は共鳴構造が管長の倍になり、同じ長さを持つ開管の楽器よりもおよそ1オクターヴ低い音が出るという特性があります。そのため、クラリネットはフルートと同じくらいの長さですが、フルートよりもオクターブ近く低い音が出るのです。

 

 

 

管の伸縮を利用して管の長さを変える

 

管楽器は管の長さが長くなるほど低音になります。この管の特性を生かして様々な長さの管を並べて利用した楽器が、パイブオルガンや民族楽器のパンフルートです。

 

しかし、音の数だけ違う長さの管が必要になるため非常に効率が悪くなります。そこで考え出されたのが、重ね合わせた管をスライドさせて長さを変化させ、一本の管でも自由に音程を変えられる方法です。

 

スライドで有名な金管楽器のトロンポーンは、この仕組みのスライドを用いて音の高さを変えていて、スライドを最長まで伸ばした場合、半音六個分長くなりますので、自然倍音の間を半音階で埋めることができます。

 

スライド奏法の最大のメリットは音程の微調整であり、管楽器でチューニング(音合わせ)を行う抜き差し管も、トロンボーンほどの前後の動きはありませんが原理は同様です。

 

 

ヴァルブ装置を利用して管の長さを変える

 

スライド装置で演奏するトロンボーン以外の金管楽器は、ピストンやロータリーなどのヴァルブ装置が備えられています。このヴァルブ装置は、ガス栓の弁のような仕組みに基づいて操作し、管の通り道を切り替えて管の長さを制御しています。

 

三本のヴァルブの迂回管はそれぞれ長さが異なり、半音分、全音分(半音ニつ分)、一音半分(半音三つ分)と長くなります。ヴァルブの組み合わせで、一つの長さの管の自然倍音だけでは補えない間の音を埋めて半音階を得ています。

 

金管楽器のヴァルブには、ピストンヴァルブロータリーヴァルブがあり、ピストンヴァルブはトランペットやユーフォニアムに備えられ、ロータリーヴァルブはホルンに備えられています。

 

ピストンを上から押すことで管の通路を変えているのがピストンヴァルブで、ロータリーヴァルブは、円筒形の弁を回転させることで管の通路を切り替えています。

 

ヴァルブの構造の違いはありますが、迂回管を通して管の長さを変え管の通路を切り替える仕組みはどちらも同じです。歴史的変遷により楽器の発展が異なり、フランスよりの影響がある楽器にはピストンヴァルブが備えられ、ドイツよりの影響がある楽器にはロータリーヴァルブが備えられています。

 

ピストンヴァルブとロータリーヴァルブでは、ヴァルブの操作感やレガートのニュアンスが少し異なりますので、両方式があるチューバのような楽器では、吹き比べてみて自分に合ったものを選ぶとよいでしょう。

 

 

 

孔の開閉を利用して管の長さを変える

 

木管楽器で採用されている方法で、管の途中に指で塞ぐ孔を空け、その孔を開閉することで管の長さを変え音の高さを変えています。発音体の音量が豊かな木管楽器ならではの方式と言えます。金管楽器では、音を増幅するべルまで全ての音が伝わりにくいため採用されていません。

 

孔の開閉を利用した方法には大別するとニ通りがあり、一つ目は指で直接押さえることができる位置に孔を開け、その穴の開閉の位置により音階を奏でる方法で、リコーダーを始めクラリネットやファゴットなどが相当します。二つ目は半音ごとに大きな孔を開け、キーの操作で音階を奏でる方法で、べームシステムのフルートやサクソフォンが相当します。

 

指で直接押さえるタイプは、孔が小さいので近隣の孔を押さえていくことで音程が下がり、この操作によって半音調節も行います。指が交錯することから「クロスフィンガリング」と呼ばれるこの指使いは、臨時記号(#・♭など)が付いた際、指使いが複雑になり音がこもる傾向がありますので、これを避けるためにクラリネットなどは、トリルキーなどの他のキーが備えられています。

 

大きな孔を開けたキー操作のタイプは、孔が大きいため傍の孔を塞いでも音程には殆ど影響がなく、臨時記号が付いた際も半音順に並んでいる孔がありますので、指使いも明瞭で音も均質になります。

  





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