チューニングについて
楽器を演奏する前に必要となるのが音合わせのチューニングで、オーケストラではA(ラ)、吹奏楽ではB♭(シ♭)を基準音とします。
演奏前には必ずチューニングを行う
電子楽器やハーモニカとは異なり、管楽器では演奏する前に必ずチューニング(音合わせ)を行う必要があります。
二人以上の合奏の時などはもちろんのこと、一人で練習する際も標準的なピッチ(日本の場合は一般的なA=442Hz)に合わせてから演奏するようにします。
チューニングを行わず管を全く抜かない状態のまま吹き続けると、音程感が狂ってしまい楽器にも誤った癖が付く場合がありますので、必ず音叉やチューナーを使用してチューニング(音合わせ)を行いましょう。
また、合奏を行わない場合でも、同じ空間で先に演奏している人がいれば、正しいピッチにチューニングされている事を確認した上で、マナーとして先に演奏している人の音に合わせましょう。
チューニング時の注意点
管楽器の場合は一つの音が合っていたとしても、その他全ての音が合っているとは限らないので、他の人に合わせてチューニングを行った場合は、オクターヴ上下の音や5度(チューニング音=B♭→F、A→E)の音なども試奏し、許容範囲内でのハモリをチェックすることが大切です。
双方の音程差が計りにくい場合は、一度管を抜いて音程を下げてから近付けてみるのが良いでしょう。僅かな差で違いが分かりにくい場合は、もう一つの手法として双方の音の周波数(1秒間あたりの振動数)のズレが干渉して生じる、「うなり」に耳を傾けて合わせる方法も効果的です。
双方の周波数が合致していくにつれ「うなり」がなくなり、ハモりやオクターヴの音がきれいに合ってくるようになります。
人間の音を感じ取る特性の一つに、単音のみを聴いた際はそれを高めに感じてしまうという傾向がありますので、基準音のみを使用してチューニングを行う場合は気を付けるようにしましょう。
ピアノやマリンバなどの楽器が合奏に参加していた場合は、出来る限りその楽器の音に合わせるようにし、合わせることが困難な場合でも、その楽器の音程を確認することが重要です。
スライド楽器を利用して音の合一過程を体感する
チューニングの音がだんだんと合っていく過程は、スライド楽器を利用して、違っているところから徐々に合わせていくとわかりやすいです。
トロンボーンなどのスライド楽器を使用し、音程をわざとズラした状態から、次第に音が合っていく感覚を体感すると効果的です。
楽器別チューニングポイント
木管楽器
フルート |
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オーボエ |
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クラリネット |
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ファゴット |
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サクソフォン |
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金管楽器
ホルン |
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B♭音を使用してFシングルホルンで合わす場合は?F管のホルンの第一ヴァルブを押した状態でB♭音になりますので、ヴァルブを押さない状態ではチューニングを正確に行うことができません。 B♭音を使用してFシングルホルンで合わす場合は、チューニングのB♭音とハモる関係にあるF音(F管でヴァルブを押さない状態)を先に合わせた後に、第一ヴァルブを押してB♭の音もチェックしましょう。 |
トランペット |
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トロンボーン |
オーケストラでAの基準音を使用して合わせる場合は?トロンボーンのA音は、スライドを抜いた第二ポジションになるので、チューニングを正確に行うことができません。この場合は、A音とハモる関係にあるD音を鳴らすことで、第一ポジションで合わせることができます。 テナーバストロンボーンはF管もチューニングするアタッチメントのヴァルブを押してF管にした時に、第一ポジションを低いFの音として使う場合は、F管を押したときの音をFで合わせておきましょう。 低いFの音を第一ポジションで使わない場合は、その上のCの音で合わせておくと便利です。 |
ユーフォニアム |
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チューバ |
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