リード/マウスピース

リードの材料となるのは、主に南フランス産のArundo donaxというイネ科の植物です。
畑に育つ葦(アシ)の茎を乾燥させた後、小さくカットした薄い板のものをリードといいます。

管楽器のリード

オーボエやファゴットなどダブルリードと呼ばれる楽器は、ニ枚合わさったものを使用します。草の茎をくわえて音を出す草笛と同じ原理です。

今日では質の高い完成品も売られるようになりましたが、リードは人によって千差万別であり、最終的には自分自身で仕上げるべきものです。

良いリードの条件は、反応(発音)が良く、程良く抵抗感があり、そして音色を持っていることです。この3つの要素が揃えば、演奏がしやすくイントネーションも良くなります。

リードの厚さの理想のバランスは、「出来る限り薄く、必要なだけ厚く」というものです。厚い、薄いということだけで判断、表現するのは危険であり、リードは楽器と共に音楽をするための手段、プレーヤーにとって重過ぎず、軽過ぎずということが大切で、そのサウンドはリード云々というよりもその人の感性によるものです。

名プレーヤーに共通しているのは、そのリードがとにかくよく振動するということで、よく振動するリードだと息がしっかり入り、幅広い表情を持った豊かな演奏をすることが出来るのです。

オーケストラで吹くのであれば、pからfまでの広いダイナミックレンジのためにある程度の強さが必要で、長く吹き続けるソリストはリードに自在さ、軽さが求められます。

一方、クラリネットやサクソフォンなどのシングルリードと呼ばれる楽器は、マウスピースに一枚のリードを装着して音を出します。

こちらは基本的に箱で買ってきたリードを選ぶだけですので、オーボエのように製作する必要はありませんが、どのリードも同じ音がするわけではないので、使う状況を考えて好みのリードを選んでおく必要があります。

管楽器のマウスピース

マウスピースとは、文字通り口に当てる「吹き口」のことです。
楽器の先端に取り付けて演奏者の口に当てるパーツを指し、かつては「歌口」と訳されていました。

唇の振動を楽器全体に伝える重要な部分となり、マウスピース単体でも色々な音程が出るようになっています。マウスピースのみによる音出しが、ラッパの上達に直接つながるという考え方に立ち、その音出し方法を中心に構成された教則本もあります。

大きな楽器になるに従って、マウスピースも大きくなりますが、同一の楽器のものでもリム(唇に直接当たる部分)の直径やカップ(息の溜まる部分)の深さ、スロート(カップの底の息の通る穴)の細さなど、微妙な寸法は奏者の好みによってまちまちとなります。

金管楽器のマウスピースは、大半は真鍮で作られたお椀型でそれを楽器本体に差し込み、くり抜かれたところに唇を当てて音を出します。

音色の好みや奏者の口のフィット感に合わせることができるように、様々なサイズや形状のものが別売されていますので、違いが分かるようになれば好みのものを選ぶとよいです。

木管楽器のクラリネットとサクソフォンでは、リードを取り付けてくわえる部分をマウスピースといいます。黒色のものが多く、昔は木で作られていましたが、材質は木ではなくゴムを主原料としたエボナイト製のものが主流となっています。

色が黒檀=エボニーに似ている為にそのように呼ばれました。この他に楽器により金属製やガラス製のものを使うプレイヤーもいます。

米国のある金管楽器メーカーでは、数百種類に及ぶマウスピースが揃えられていたり、ドイツでは奏者ひとりひとりの吹き方に最も適した形状のマウスピースを、コンピューターで設計して作成してくれる会社もあります。

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