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ファゴットのメカニズム

ファゴット本体

 

 

 

 

ヘッケルシステム

 

フランスの一部の地域を除く世界各国の多くの地域で使用されているファゴットは、「ヘッケルシステム」と呼ばれるものです。ヘッケルシステムのファゴットは、19世紀ドイツの軍楽隊長カール・アルメンレーダーが、これまでのファゴットの音程の問題点を改善しようと試みたのが始まりで、その意思を楽器製作者のヨハンアダム・ヘッケルが受け継ぎ、永年改良が試みられ完成しました。

 

ヘッケル式ファゴットの改善点は、ベーム式のフルートやクラリネットのような革新的なアイデアを織り込んだのではなく、これまでの現行モデルの問題点を修正するために、キーを追加するなど少しづつ改良を加えていったもので、基本的な構造や指使いは形式を重んじていることから、ドイツ式のクラリネットに近い概念だと言えます。

 

少しづつ改良が重ねられ、ヘッケルシステムに施された細部の工夫は、まさに長きに渡る不断の努力の成果そのものです。不安定だった音程を改善するために、三つの音孔を一つのキーで塞ぐ多重音孔にするなど、演奏者に役立つ機能のアイデアが随所に見受けられます。20世紀以降もキーが追加されていてさらなる発展を遂げています。

 

 

 

 

ファゴットの管の接合部は少し変わっている?

 

ヘッケル式ファゴットの特徴として興味深いのは、管の接合部に細い糸が巻かれていることです。他の木管楽器のようにコルクが使われているファゴットもありますが、多くのファゴットは赤い糸で巻かれているタイプになります。ファゴットに限らず昔の木管楽器は、接合部に糸を巻いているものが多かった経緯があります。

 

木は湿気や温度によって膨張したり収縮したりする性質があり、木の皮でできたコルクも同じように、湿気の具合によっては抜きづらくなったり緩くなってしまったりすることもあります。

 

糸であればそのときの状況に応じて、巻いている糸の長さを調節すれば、このような問題が起きずに済みますので、糸が巻かれる理由には、このように木で作られた木管楽器に適した利点があるためです。

 

 

通常のタイプとジェントルマンタイプどちらがいいの?

 

ファゴットは1m40cm程の長さがある楽器になりますので、収納と管の内部の清掃をするために分解できるようになっており、ケースに収納する際は小さいパーツに分けられます。

 

このときに「テナージョイント」「ダブルジョイント」「バスジョイント」「ベルジョイント」と分かれますが、バスジョイントだけが他のジョイントよりも長いため、ケースもその分だけ長くなってしまうことがあります。

 

そこで、よりコンパクトなケースに収納することで考案されたのが「ジェントルマンシステム」というモデルで、バスジョイントをさらに二分割できるタイプになり、各ジョイントをほぼ同じ長さで収納できるようにしました。

 

ビジネスマンが持つアタッシュケースのようなケースに収納されることで、このような名称で呼ばれています。パーツの収納の仕方以外にシステムの違いはありませんが、接合部が増えることで吹奏感に違いがあると捉える人もいるので、ファゴットを選択する際は収納するケースも考慮して吹き比べてみるといいでしょう。

 

 

 

フランス式バソン

 

フランスの奏者たちはヘッケル式ファゴットを採用せずに、バソン(ファゴットのフランス語名)と呼ばれる独自の楽器を使い続けました。

 

バソンはバロック時代の面影を色濃く残した独特な音色を備えていて、この音色に惹かれたフランスの作曲家の多くは、魅惑的なソロの楽曲をたくさん書いています。

 

このフランス式バソンとヘッケル式ファゴットの違いで興味深いのは管の材質の違いで、ヘッケル式ファゴットが白い楓の木に茶色い塗料を塗っているのに対し、フランス式のバソンは紫檀など黒くて堅い木を用いて作られています。

 

 

 

仲間の楽器~コントラファゴット~

 

ファゴットの仲間にはコントラファゴットという楽器があり、ファゴットよりさらに大きくオクターヴ下の音域を持ちます。

 

弦楽器のコントラバスよりも低い音域をカバーするコントラファゴットは、音の振動が伝わるぐらい重量感のある低音を備えていて、大編成のオーケストラの木管セクションには欠かすことができない楽器になります。

 

コントラファゴットの基本的な指使いは、通常のファゴットとほぼ同様の指使いとなりますが、管が長くリードも大きいことから、低い音を長く伸ばすのは大きな労力を必要とします。

 

また、大型の楽器で高価なこともあるため、個人での所有は難しい楽器となり、団体の備品やレンタルの楽器を演奏する機会が多いのが現状です。しかし、ベートーヴェンの『第九』や『運命』など演奏頻度の高い名曲で用いられていますので、ファゴット奏者はこのコントラファゴットの演奏に慣れておく必要があります。

  







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