弦楽器
弦楽器は弦の振動を胴体を利用して伝えることによって音を生み出す楽器です。
弦を振動させる方法の違いによって「撥弦楽器」「擦弦楽器」「打弦楽器」に分類されます。
弦楽器の起源
石器時代に弓矢などで狩をした人たちが、その獲物を囲んで音の出るものはすべて利用して大猟祝いをした時、弓の弦を用いたことなどに始まるといわれ、これが後のハープになったとされています。
そして音量が弱い弦の音を補強するため、うりの実などを共鳴器としたものが、ギターなど柄のある弦楽器へと発達したものといわれています。
また極めて初期の頃の弦楽器は、弦を指などではじくこともあれば木の棒などで擦ることもあり、その奏法の違いが時を経て撥弦楽器と擦弦(弓弦)楽器へと発展していきました。
この擦弦(弓弦)楽器は次第に発展し16世紀には、様々な大きさのヴィオールという楽器が生まれました。ヴィオールは当時の擦弦(弓弦)楽器の総称で、ヴァイオリン属の祖先にあたります。
ヴィオールはフランス名で、イタリア名はヴィオラです。擦弦(弓弦)楽器の弓は古くは木の棒でしたが、現代では馬の尾の毛で作られており、ヴァイオリンの弓は約120本ぐらいが束ねられています。
弦をはじく撥弦楽器
撥弦楽器は弦をはじいて音を出す楽器で、ギター、マンドリン、ハープ、箏(琴)などの楽器が該当します。
弦をはじいた振動だけでは十分な音量を得ることはできないので、共鳴する胴体と響板を備え、響板の振動を利用して音量を増大させます。その形や大きさなどによって、楽器特有の形状と音色になっています。
響板の振動はエネルギーを大量に消費するため、音が持続する時間は短くなります。そのため、撥弦楽器の音は急激に立ち上がったあと定常状態になることなく減衰します。このような特性が、撥弦楽器特有の音色を生み出しています。
弦長調節によるピッチコントロール
弦楽器は弦の張り具合を調節して調律され、強く張るほどピッチも増していきます。弦楽器で開放弦以外の音を出すためには、弦の適切なポジションを押さえて、弦の長さを変化させてピッチをコントロールします。
弦の長さと周波数には反比例の関係があり、弦の長さを半分にした場合にはピッチはオクターヴ上昇し、2/3の長さにした場合には完全5度上昇します。
ギターなどの撥弦楽器には、弦長調節によるピッチコントロールを容易とするフレットが設けられていますので、簡単に音階に合わせた音を出すことができます。
ギターの1フレットは半音分のピッチの変化と対応しています。フレットがない三味線などの撥弦楽器もあります。
ギターには6本の弦があり、左手で各ポジションの弦を押さえながら右手で全ての弦を弾くことができるので、多彩な和音(コード)の演奏が可能となり、ギターは「小さなオーケストラ」とも評されます。
その豊かな表現力を活かして、メロディを奏でる独奏楽器やコードを刻む伴奏楽器としても活躍します。
弦を擦る擦弦楽器
擦弦楽器は弦を弓で擦って音を発生させる弦楽器で、弓を弦にかけ素速く滑らせるスティックスリップ運動を行い、弦にエネルギーを伝えることによって弦を振動させ音を発生させています。
擦弦楽器では、弓で擦っている間は途切れずに定常的に音を出すことができます。擦弦楽器は弓弦楽器ともいい管弦楽や室内楽では中心的な存在で、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの4種類があり、これをヴァイオリン属ともいいます。
低域の音域を担当する楽器ほど弦の長さが長く、サイズも大きくなります。弦を擦る振動だけでは十分な音量を得ることはできないので、撥弦楽器と同様に胴体を備えて音量の補強を行います。
弦の振動が胴体に伝えられ、胴体の表面が振動し豊かな音を生み出します。擦弦楽器のピッチも弦を押さえてコントロールしますが、ヴァイオリン属はギターのようなフレットはありませんので、正しいピッチを演奏するためには訓練を要します。
擦弦楽器の中にもヴィオラ・ダ・ガンバのようにフレットを持つ楽器も存在し、現代ではほとんど用いられることはありませんが、16世紀~18世紀の王侯貴族の間では、優雅な音で演奏しやすいため重宝されていました。
ヴァイオリンは、ストラディバリウスの製作者であるアントニオ・ストラディバリらの改良によって、美しい音色を保ちながら大きな音も出せる楽器へと発展していきました。
その進化したヴァイオリンは多くのプロフェッショナルな音楽家に用いられるようになり、タルティーニやパガニーニが超絶技巧で聴衆を魅了しました。
弦を叩く打弦楽器
打弦楽器は弦を叩いて音を出す弦楽器で、一般的な打弦楽器といえば通常はピアノのことを指します。一般的な楽器以外では、ダルシマーやサントゥール等があり類似の楽器も各地に存在します。
この種の楽器は、たくさんのピッチの弦を張りつめて、バチやハンマーなどで弦を叩いて演奏するというものです。これらの楽器の仕組みを利用して、弦を叩く仕組みを鍵盤でコントロールする鍵盤楽器が発明されました。
14世紀頃に発明されたクラヴィコードや、18世紀以降に活躍する鍵盤楽器のピアノへと発展していきました。
ダルシマー
様々な弦楽器
ヴァイオリン |
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外国語表記 |
〔英:violin〕 〔独:Violine / Geige〕 〔仏:violon〕 〔伊:violino〕 〔略:Vn. / Vl. / Vln.〕 |
解説 |
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ヴィオラ |
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外国語表記 |
〔英:viola〕 〔独:Bratsche〕 〔仏:alto〕 〔伊:viola〕 〔略:Vla. / Bra. / Alt.〕 |
解説 |
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チェロ |
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外国語表記 |
〔英:cello / violoncello〕 〔独:Violoncello〕 〔仏:violoncelle〕 〔伊:violoncello〕 〔略:Vc.〕 |
解説 |
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コントラバス |
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外国語表記 |
〔英:double bass/contrabass/string bass〕 〔独:KontrabaB〕 〔仏:contrebasse〕 〔伊:contrabasso〕 〔略:Cb. / D.b. / K.b.〕 |
解説 |
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ハープ |
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外国語表記 |
〔英:harp〕 〔独:Harfe〕 〔仏:harpe〕 〔伊:arpa〕 〔略:Hrp. / Apa.〕 |
解説 |
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ヴィオラ・ダ・ガンバ |
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外国語表記 |
〔英:viol〕 〔独:Gambe〕 〔仏:viole〕 〔伊:viola da gamba〕 |
解説 |
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リュート |
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外国語表記 |
〔英:lute〕 〔独:Laute〕 〔仏:luth〕 〔伊:liuto〕 |
解説 |
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ギター |
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外国語表記 |
〔英:guitar〕 〔独:Gitarre〕 〔仏:guitare〕 〔伊:chitarra〕 〔略:Gt.〕 |
解説 |
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マンドリン |
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外国語表記 |
〔英:mandolin〕 〔独:Mandoline〕 〔仏:mandoline〕 〔伊:mandolino〕 |
解説 |
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ウクレレ |
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外国語表記 |
〔英:ukulele〕 |
解説 |
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バンジョー |
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外国語表記 |
〔英:banjo〕 |
解説 |
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