機能和声と対位法
機能和声と対位法は、ポリフォニーの音楽における和音の響きと各旋律の独立性を保つために体系化された規則です。
西洋の古典音楽は、これらの規則を基盤としハーモニーを支えています。
機能和声
ピッチ推移の規則を定める機能和声が、西洋音楽のハーモニーを支えています。4声(ソプラノ、アルト、テノール、バス)からなる音列を対象として、この4声のピッチ推移の規則を定めているのが機能和声で、17世紀までの西洋の古典音楽を体系化した理論です。
機能和声では、カデンツの規則に従った和音進行が求められ、4つの声部の和音としての美しさと共に、各声部の旋律的な独立性も重視されます。各声部の音域もおおよそ定められています。
さらに、各声部の旋律の独立性が損なわれないように、各声部の中に完全5度、オクターヴの音程が連続して現われることを禁止しています。この禁則は、これら2つの音程が非常に強い協和音を持つためです。
また導音の音は、主音へ戻る音(進行限定音)として位置づけられています。
各声部の音域
機能和声の例
対位法
対位法は複数の声部において、より各成分の旋律的な独立性を重視した技法で、機能和声と同様に複数の声部におけるピッチ推移を定めた規則です。
主旋律に対する伴奏であっても、美しい旋律であることが求められ、各声部間の和声的な響きも考慮されます。対位法の技法は教会旋法が主流の時代より用いられていますが、現代音楽においても基礎的な手法として用いられています。
最も単純な2声部による対位法では、両声部が同方向に進行する並進行、ある声部が同じピッチを保留している間に他の声部が進行する斜進行、両声部が反対方向へ進行する反進行があります。
同じメロディによる編曲
和声的編曲
対位法的編曲
対位法の手法
並進行
斜進行
反進行