指揮の図形の意味や描く大切さを知る

指揮者」が登場したのは音楽の歴史上で見れば比較的浅く、古い時代の作品を演奏する場合や、小規模のアンサンブルであれば指揮者なしで演奏することは可能です。指揮者は全ての音楽を方向付ける訳ではありませんが、良い音楽を生み出す大きな力を備えていることは確かです。指揮は拍子によって図形がおおよそ決まっており、歴史的変遷により変革を遂げて現在の形に至っています。

指揮の図形

指揮者は音を出さない演奏家ですから、この振り方をしないといけないと言う事はなく、もちろん自由な振り方をすることは許されていますが、多くの人が用いるシンプルな現在の形には、それなりに理由があります。

例えば、4拍子の図形の描き方は一般的ですが、人は重力を無意識のうちに感じていますから、上へ向かう動きよりも下へ向かう動きに、よりカを感じます。

4拍目よりも1拍目を重く受け取るわけですが、横の移動では2つの方向があります。身体の中心に向かう動きと、中心から外側へ向かう動きでは、人間工学的な理由から、外側へ向かう動きの方に(少し多めに)力を感じる人が多いと言われています。

これで2拍目よりも3拍目の方が力を感じることができます。しかも、上下動ほどはっきりした差ではありません。その結果、4拍子の図形は「強・弱・中強・弱」という拍の重みを感覚的に(演奏家に対して)呼び覚ます効果があるのです。

指揮をすることが(歩くことや自転車をこぐように)、殆ど無意識で行われるくらいに身につけば、自分が振っている手の動きが、逆に今何拍目にいるかを教えてくれることすらあります。

図形を描くことの大切さ

職業として指揮者になり、指揮をすることを一日何回も繰り返すことになって、生涯で何小節振ったかを計算するのもできないくらい、動作が体に染みついたという極端な場合でなくても、指揮をする際にできるだけいつも「きれいな図形」を描くように心がけていることには良い面がたくさんあります。

「見る側からの誤解が少ない」という小さい理由だけでも、原則通りの指揮は意味があります。「あの見にくい指揮で良く合う」と言われる大御所・巨匠がいることは事実ですが、それを目指すことにはあまり意味がないです。

不思議な形で振り、良い独自の柔軟さが生まれることが、その人の個性になることはありますが、それこそ「個性」なのですから、人の個性を真似する事はやめたおいた方が賢明でしょう。

巨匠になってもシンプルで見やすい図形で指揮する指揮者は数多くいますが、そこの根底にはびっくりするくらいの情報が詰まっているものです。

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